2019年2月14日 更新

貴金属の見分け方 割合と表示の意味

 
「ジュエリーなど貴金属で、18K とか 14K とか  0.750、プラチナプレート、ゴールドプレートなどと表記されてますがどういう意味でしょうか? 純金じゃないの?」

 
純金24K以外は、いわゆる合金のことです。 銀Ag、銅Cu、ニッケルNiなどを交ぜて合金とします。 純金とその合金製品は24分割で表します。
 
例えば18Kと表記されている場合、『18÷24=0.75』 つまり75%の純金を持つ合金ということです。
 
少数点以下の3桁目は0、5、7の数値に近い方に合わせ残りの桁は捨てた値としています。
 
8K = 333 33.3%
9K = 375 37.5%
10K = 417又は416 41.7%
14K = 585又は583 58.3%
18K = 750 75.0%
20K = 833 83.3%
22K = 917又は916 91.7%
24K = 1000又は999 99.9%
 
 
- 24K -
 
Au(純金)は通常は柔らかくて製品にした時、あまり強度がありません。  ですから割金を加えて硬さや強度を増すのです。 18Kというのは長い年月の間に金の強度や加工しやすさ、そして大事な稀少価値を追求して決められたものであるといえます。
 
 
- 金が持つ色の度合い -
 
純金24Kは、金Au以外の物質を取り除いた純度となるわけですが、皆さんがよくご存じのイエローゴールドと呼ばれる黄色の性質を帯びてます。 24K以外の18Kなどで、ピンクゴールドやローズゴールドと呼ばれる物は、他の含有金属25%の中に、赤色系の銅Cuを多く含ませて、それで補色しています。
 
 
- その他の表示 -
 
金Auと合金や金系の金張り、メッキ製品には、他にも下記のような表示があります。 メッキや金張りである場合、下地(ベース)は、銀、真鍮、ニッケルなどが多いようです。 皮膚に金属アレルギーの反応が強く出やすい体質の方は下地も注意しておくべきでしょう。
 
GP :Gold Plated、金メッキ。 刻印に、10K GP や 14K GPとあれば、10K、14Kの純度でで張られている。
 
GEP :Gold Electro Plated、金めっき(電気めっき)。
 
GF :Gold Filled、金張り。刻印に、10K GF や 14K GFとあれば、10K、14Kの純度でで張られている。
 
GR :Gold Rolled、金張り。
 
HGE :Hard Gold Electroplated、金めっき。 ベースは銀や真鍮など。
 
KP :Kはカラット、Pは「完全な、ぴったり」という意味の「Plumb」。一部のアメリカの金製品製造業者では、間違いなくその純度があるという意味合いで18KP、14KPなどの様に、Pをつけるケースがある。
 
KT、Kt :カラット。18KT、18Ktなどと使うが、18Kと意味は同じ。
 
RGP :Rolled Gold Plate、金張り。
 
 
- ホワイトゴールドにつて -
 
K18Pdwg :金Au75%のホワイトゴールドのこと。
 
銅AgなどのかわりにパラジウムPdや銀AgやニッケルNiなどの銀色(白色)系の金属を混ぜるとホワイトゴールドになります。 ホワイトゴールドは地色はクリーム色というか、ほんのり黄色がかっていますので、通常は綺麗な銀色にするために、ロジウムでメッキをかけてプラチナより少し明るい色調にしてあります。 パラジウムPd10%全入りもあり、これはかなりプラチナに近しい色合いになりますが、強度に難点があり、ジュエリー製品の材質には向いてません。
 
当時のホワイトゴールドは精製の具合が悪く不純物を除去できてない、人体の皮膚に金属アレルギーを起こしてしまうような粗悪品が出回ってました。 だから、多くの時計メーカーはホワイトゴールドから撤退してます。 ロジウム、パラジウムの鍍金処理の精度が高い、ごく限られたメーカーでしか扱えない金属でした。
 
第一次世界大戦中にロシアからのプラチナの輸出(世界の70%シェアを占めていた)が途絶えたことが原因でヨーロッパでホワイトゴールドが生まれたという背景があります。(※ 諸説有ります)
 
 
- プラチナについて -
 
Pt850 :プラチナPt85%のこと。 ネックレスなどの細工の細かいものに強度を持たせるために使われます。パラジウムPd、銅Cuなどが含まれます。
 
Pt900 :プラチナPt90%のこと。 Pd (パラジウム)とCu (銅)やRu (ルテニウム)が入っているのが一般的ですが、Pd10%全入りもあります。通常指輪などに良く使われます。
 
Pt1000 :プラチナPt100%のこと。 通常は加工がしにくく、とても厄介な素材です。よって修理も高額になる。
 
プラチナですが、こちらは単金属で元素記号「pt」、原子番号78で日本語表記では「鉑」とも書きます。 プラチナ製品は1000分率で表すのですぐに解ります。 金という字が使われていますが金とはなんの関係もありません。 宝飾品としては、日常の使用に耐える硬度を確保するためにパラジウムなどと合金にされ、通常は1000分率で、含有量に応じてPt1000、Pt900、Pt850などと表記されます。
 
腕時計の場合、1920 年頃から外装がプラチナ製の腕時計はあるのですが、プラチナはもともと産出量が少なく、使用が試みられたのはごく僅かなカクテルウォッチ(宝飾腕時計)のみだったようです。 ソ連とスイスの国交関係は存じ上げませんが、スイスの時計にプラチナの需要が広がり始めたのは、1970年クォーツショック 以降で、スイスの機械式時計メーカーが衰退し統廃合が落ち着いたあたりからですね。 当時売られていた時計の定価をずっと調べてるんですけど、今ではとてもとても高価なプラチナですが、当時の一般消費者の価値の認識はホワイトゴールドとそう大して変わらないか、一般的に流通していたホワイトゴールドの価値の方が上だったようです。 当時のプラチナは、軍事利用優先 の金属だったようです。 数が出回らないと知る人も少なく価値も上がらないのが消費社会の面白 いところなんですかね。
 
他にもエピソードが沢山ありますが、長々となってしまうので以上とさせていただきます。 ジュエリーを購入予定される方のご参考までに。

2019年2月14日 更新

貴金属の見分け方 割合と表示の意味

 

「ジュエリーなど貴金属で、18K とか 14K とか  0.750、プラチナプレート、ゴールドプレートなどと表記されてますがどういう意味でしょうか? 純金じゃないの?」

 
純金24K以外は、いわゆる合金のことです。 銀Ag、銅Cu、ニッケルNiなどを交ぜて合金とします。 純金とその合金製品は24分割で表します。
 
例えば18Kと表記されている場合、『18÷24=0.75』 つまり75%の純金を持つ合金ということです。
 
少数点以下の3桁目は0、5、7の数値に近い方に合わせ残りの桁は捨てた値としています。
 
8K = 333 33.3%
9K = 375 37.5%
10K = 417又は416 41.7%
14K = 585又は583 58.3%
18K = 750 75.0%
20K = 833 83.3%
22K = 917又は916 91.7%
24K = 1000又は999 99.9%
 
 
- 24K -
 
Au(純金)は通常は柔らかくて製品にした時、あまり強度がありません。  ですから割金を加えて硬さや強度を増すのです。 18Kというのは長い年月の間に金の強度や加工しやすさ、そして大事な稀少価値を追求して決められたものであるといえます。
 
 
- 金が持つ色の度合い -
 
純金24Kは、金Au以外の物質を取り除いた純度となるわけですが、皆さんがよくご存じのイエローゴールドと呼ばれる黄色の性質を帯びてます。 24K以外の18Kなどで、ピンクゴールドやローズゴールドと呼ばれる物は、他の含有金属25%の中に、赤色系の銅Cuを多く含ませて、それで補色しています。
 
 
- その他の表示 -
 
金Auと合金や金系の金張り、メッキ製品には、他にも下記のような表示があります。 メッキや金張りである場合、下地(ベース)は、銀、真鍮、ニッケルなどが多いようです。 皮膚に金属アレルギーの反応が強く出やすい体質の方は下地も注意しておくべきでしょう。
 
GP :Gold Plated、金メッキ。 刻印に、10K GP や 14K GPとあれば、10K、14Kの純度でで張られている。
 
GEP :Gold Electro Plated、金めっき(電気めっき)。
 
GF :Gold Filled、金張り。刻印に、10K GF や 14K GFとあれば、10K、14Kの純度でで張られている。
 
GR :Gold Rolled、金張り。
 
HGE :Hard Gold Electroplated、金めっき。 ベースは銀や真鍮など。
 
KP :Kはカラット、Pは「完全な、ぴったり」という意味の「Plumb」。一部のアメリカの金製品製造業者では、間違いなくその純度があるという意味合いで18KP、14KPなどの様に、Pをつけるケースがある。
 
KT、Kt :カラット。18KT、18Ktなどと使うが、18Kと意味は同じ。
 
RGP :Rolled Gold Plate、金張り。
 
 
- ホワイトゴールドにつて -
 
K18Pdwg :金Au75%のホワイトゴールドのこと。
 
銅AgなどのかわりにパラジウムPdや銀AgやニッケルNiなどの銀色(白色)系の金属を混ぜるとホワイトゴールドになります。 ホワイトゴールドは地色はクリーム色というか、ほんのり黄色がかっていますので、通常は綺麗な銀色にするために、ロジウムでメッキをかけてプラチナより少し明るい色調にしてあります。 パラジウムPd10%全入りもあり、これはかなりプラチナに近しい色合いになりますが、強度に難点があり、ジュエリー製品の材質には向いてません。
 
当時のホワイトゴールドは精製の具合が悪く不純物を除去できてない、人体の皮膚に金属アレルギーを起こしてしまうような粗悪品が出回ってました。 だから、多くの時計メーカーはホワイトゴールドから撤退してます。 ロジウム、パラジウムの鍍金処理の精度が高い、ごく限られたメーカーでしか扱えない金属でした。
 
第一次世界大戦中にロシアからのプラチナの輸出(世界の70%シェアを占めていた)が途絶えたことが原因でヨーロッパでホワイトゴールドが生まれたという背景があります。(※ 諸説有ります)
 
 
- プラチナについて -
 
Pt850 :プラチナPt85%のこと。 ネックレスなどの細工の細かいものに強度を持たせるために使われます。パラジウムPd、銅Cuなどが含まれます。
 
Pt900 :プラチナPt90%のこと。 Pd (パラジウム)とCu (銅)やRu (ルテニウム)が入っているのが一般的ですが、Pd10%全入りもあります。通常指輪などに良く使われます。
 
Pt1000 :プラチナPt100%のこと。 通常は加工がしにくく、とても厄介な素材です。よって修理も高額になる。
 
プラチナですが、こちらは単金属で元素記号「pt」、原子番号78で日本語表記では「鉑」とも書きます。 プラチナ製品は1000分率で表すのですぐに解ります。 金という字が使われていますが金とはなんの関係もありません。 宝飾品としては、日常の使用に耐える硬度を確保するためにパラジウムなどと合金にされ、通常は1000分率で、含有量に応じてPt1000、Pt900、Pt850などと表記されます。
 
腕時計の場合、1920 年頃から外装がプラチナ製の腕時計はあるのですが、プラチナはもともと産出量が少なく、使用が試みられたのはごく僅かなカクテルウォッチ(宝飾腕時計)のみだったようです。 ソ連とスイスの国交関係は存じ上げませんが、スイスの時計にプラチナの需要が広がり始めたのは、1970年クォーツショック 以降で、スイスの機械式時計メーカーが衰退し統廃合が落ち着いたあたりからですね。 当時売られていた時計の定価をずっと調べてるんですけど、今ではとてもとても高価なプラチナですが、当時の一般消費者の価値の認識はホワイトゴールドとそう大して変わらないか、一般的に流通していたホワイトゴールドの価値の方が上だったようです。 当時のプラチナは、軍事利用優先 の金属だったようです。 数が出回らないと知る人も少なく価値も上がらないのが消費社会の面白 いところなんですかね。
 
他にもエピソードが沢山ありますが、長々となってしまうので以上とさせていただきます。 ジュエリーを購入予定される方のご参考までに。

 
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