ラ・ショー=ド=フォン
フランス語:La Chaux-de-Fonds

 


 

ラ・ショー・ド・フォン(La chaux-de-Fonds)はスイス北西部、フランス国境のすぐ近くのジュラ山脈に位置する都市で、ジュネーブ市の北およそ100kmにある地名。  スイス時計産業の中心地で、また、その発祥地といわれている。 ジラール・ペルゴ、タグ・ホイヤーなどが本社を置く。 世界最大規模の時計の博物館である国際時計博物館(Musee international d'horlogerie)が設けられている。
この市街は隣接するル・ロックルの中心市街とともに「ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックル、時計製造業の都市計画」の名で2009年にユネスコの世界遺産に登録された。 また、ラ・ショー=ド=フォンは、2003年、国際産業遺産保存委員会 (TICCIH) 産業遺産の製造業部門に登録されている。
近代建築の巨匠で、スイス・フラン紙幣にも描かれているル・コルビュジエの出身地でもあり、初期の住宅作品などが残っている。 そのうち、ジャンヌレ=ペレ邸は、「ル・コルビュジエの建築作品 - 近代建築運動への顕著な貢献 -」の一つとしてユネスコ世界遺産の暫定リストに記載されている。
 

ラグの種類
the kind of Lug

 

 

ノーマル(溶接型)

汎用性、装飾性が共に高く最も広く流通しており、クラシックモデルやドレスウォッチ、スポーツウォッチなど、どのタイプにも見られるタイプ。
 
 

ティアドロップ(涙型)

丸みを帯びた涙が滴れる形から、そのままこの名前が付いた。 時計全体のフォルムを優しく表現するのに適したタイプ。 特にレディースウォッチによく見られる。
 
 

カブリオーレ(猫足)

アンティーク家具の猫足の様に見えることから付けられた名前。 ドレス系でヴァシュロン・コンスタンタンやジャガールクルト社のアンティークウォッチによく見られる。 
 
 

フラット(平面型)

ケースとの繋ぎ目がない強度とシンプルさを優先させたタイプ。 ドレス、スポーツ系共によく見られる。
 
 

フレアード(鼓型)

アールデコ様式を象徴して、ケース中央から湾曲して広がったタイプ。 フラットラグであることが一般的で、パテック・フィリップの時計に代表されるモデルが多い。
 
 

ピン棒無し / ユニット(一体型)

アンティークウォッチに多く見られ、ピン棒が無く溶接でケースに繋がれたタイプ。 もともとは、懐中時計を軍事用としてより使用しやすいようラグを取り付けてバンド式の腕時計にしたことがルーツで最古のタイプ。 バンドは、ループさせるか、ピン棒無し用で特注する必要がある。
 
 

ラグ無し(ループ型)

ラグを必要とせず、分離したバンドを時計ケースの穴に貫通させる。 ロレックス「カメレオン」が代表的で人気が高い。
 
 

ランカシャーゲージ、ランカシャーウォッチゲージシステム
Lancashire Gauge
Lancashire Watch gauge system

 

 

時計技術の発祥は英国であったが、当時の時計産業は、新しいシステムが次々と開発されていく高性能なスイス製、ウォルサムを初めとするコストパフォーマンスに優れた大量生産型のアメリカ製といった新興国に圧されていた。
ランカシャー・ウォッチ・カンパニー(1889-1911年)の創設者であり時計技師トーマス・ペーター・ヒューイット(Thomas Peter Hewitt)は対抗策として、消費者がケースとムーブメントを別々に分離し着せ替えて購入できるよう嗜好性を高めようと、ムーブメントサイズとインストールするケースサイズを規格化し職人が共用することを発案した。これが後にランカシャーゲージと呼ばれるようになった。
これをBHI(英国立時計協会 = British Horological Institute)が受け継ぎ使用していたことから次第に広まって、現在製造される懐中時計の世界規格となっている。
 
*チャートの測定値は、懐中時計のムーブメントサイズであり、ケース外径またはダイヤルのサイズとは関係ない。
 

懐中時計のサイズチャート

 

リダン
re-done

 

 腕時計の経年変化により劣化したダイアルやインデックスを、補修したり書き換えたりして、奇麗な状態にすること。
リダン(redone)を行うことで視認性を向上させることが出来るが、メーカー以外でリダンされた腕時計はオリジナルとして評価されなくなったり、オリジナル性、オリジナルの良さが失われてしまうこともある。
 

リファレンスナンバー
reference number

 

 

メーカーがつけた時計本体の整理番号や製造番号のこと。 モデルにより番号が違い、通常は、時計の裏蓋やタグ、カタログなどに“Ref.~~~~”のようにRef.から始まり、アルファベットや数字の組み合わせにより表記される。
 

リーニュ
ligne

 

時計の機械の大きさの単位。  フランス語でリーニュ(ligne)、英語ではライン(line)、日本語では型と呼ばれている。記号は『'''』。
1リーニュ = 1''' = 約2.256ミリ = 約0.0889インチ
 

ル・ロックル
Le Locle

 

 

スイスのヌーシャテル州にあるコミューン(基礎自治体)で、その中心市街は17世紀以来、時計製造業が営まれてきた。
1679年にロンドンからこの地に初めて持ち込まれた懐中時計が壊れたとき、手先の器用なダニエル・ジャン=リシャールが修理を担当した。 ジャン=リシャールはその縁で仕組みを分析し、独力で時計製造を行うまでに漕ぎ着けた。 その彼が腰を落ち着け、後継者を育成したのがル・ロックルであった。
中心部は、隣接するラ・ショー=ド=フォンの中心市街とともに、2009年に「ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックル、時計製造業の都市計画」の名で、世界遺産リストに登録された。
 

レギュレーター / 3針独立表示
regulator

 

 

ダイアル上の時、分、秒がそれぞれ別に表示されている(3針独立表示)こと。
また、時計師や時計メーカーが、機械式時計の時刻調整のためや製品の精度チェックのために用いる精密時計のこともレギュレーターと呼ぶ。
 

レギュレーター / 標準時計
regulator

 

時計師や時計メーカーが、機械式時計の時刻調整のためや製品の精度チェックのために用いる精密時計のこと。
ダイアル上に時、分、秒がそれぞれ別に表示されているのが特徴。 標準時計ともいう。
 

レジスター
register

 

 

 ダイヤル(文字盤)内にある、計機のこと。
日付け、曜日、月表示や、秒を示すスモールセコンド、クロノグラフ搭載機における30分または12時間積算計などが代表的。スモールダイアル、カウンター、インダイアル、サブダイアルと呼ばれることもある。
 

レトログラード
retrograde

 

 

時計の秒針がダイアル上を円ではなく、扇型を描き、目盛の端に達した瞬間に基点にフライバックする機構のこと。 主に、秒針やカレンダーに使われることが多い。フランス語で“逆行”を意味する。
 

Royal Air Force (RAF)
British Royal Air Force
英国空軍(王立空軍)

 

 

英国空軍は、イギリスの保有する空軍である。略称としてRAFやR.A.F.という表記がある。日本語ではイギリス空軍、王立空軍とも表記される。 1918年4月1日にイギリス軍の一部として独立した。RAFは世界で最も長い歴史を持つ空軍であり、現在、約793機の航空機と、3万4200人の兵力を保有している。
 
英国軍は正規兵として配属されると支給される装備品の中に腕時計が含まれる。時計の主な特徴として、
 

  • 文字盤やケースバックにシンボルマークで、ブロード・アロー(↑)を配したものが英国軍正規支給とされる。
  • ケースバックに、空軍は6BB、海軍は0552 と刻印される。 
  • 代表的な供給メーカー:ハミルトン、レマニア、セイコー、CWC(カボット・ウォッチ・カンパニー)
  • パイロットはクロノグラフが支給されることが多い。

 
 

ロングパワーリザーブ / パワーリザーブ
power reserve

 

パワーリザーブとは、ゼンマイの動力を蓄積することで、通常40~60時間が平均と言われているが、それ以上の70時間以上のものなどのことをロングパワーリザーブという。
これを搭載したモデルの中でも、A. LANGE & SÖHNEが31日間(1ヵ月)の手巻式ロングパワーリザーブを実現させた「ランゲ31」というモデルが有名。
 

ワンピースケース

 

ケースと裏蓋が一体で構成してあるケースのことで、腕時計自体の防水性を確保するための構造。
ムーブメントの取り出しは、ケースの側面から行うことができる。