アウトサイズデイト
out size date

 

 

通常の日付表示よりも大きく、十の位と一の位をダイアル上の別々のディスクで表示を行う機能のこと。ビックデイトとも呼ばれる。
 

アジャストスクリューネジ
adjust screw

 

時計ムーブメントを構成するとても小さいネジのひとつのこと。 天輪に装着されており、精度を微調整する働きがある。
 

アビエーションウォッチ
航空回転計算尺時計
aviation watch

 


 

航空パイロットやエンジニア向けの時計(アビエーションウォッチ)に搭載される特殊機能。
飛行時の速度、飛行距離、上昇・下降距離、飛行所要時間、燃料消費量などの航空計算ができ、中には速キロ(Km)、海里(NAUT)、法定マイル(STAT)の単位換算機能も備えるモデルある。 この航空回転計算尺を備えたモデルは、航空時計の権威であるブライトリングに多く見られるモデル。 別名ナビゲーションウォッチとも呼ばれる。
 

アブラアン・ルイ・ブレゲ
Abraham Louis Breguet

 


 

スイスのヌシャテル生まれの時計師で、時計の歴史を200年早めたとも云われる。
ブレゲが発明・開発した、自動巻き機構、ブレゲヒゲ(巻き上げヒゲ)、パラシュート(耐衝撃装置)、トゥールビヨン脱進機、ギョーシェ、ブレゲ針、ブレゲ数字などが、現在も多くの時計師により採用されており、彼が創設した時計メーカー、ブレゲ(Breguet)は、世界5大時計と呼ばれている。
 

アラーム機能
alarm

 

 

任意に指定した時間に針を合わせておけば、その時間になるとベルを鳴らし時刻を知らせてくれる機能のこと。
機械式時計の場合、ハンマーが裏蓋内部の突起やリングを叩いて音を出す。機械式アラームウォッチの元祖である1947年に発売されたヴァルカン「クリケット」が有名。
 

アルバート・ペラトン
Albert Pellaton

 


 

IWCの時計技師で、ペラトン式自動巻きムーブメントCal.85や、Cal.83、Cal89など、同社の代表作となったムーブメントの数々を開発した。
特にCal.85の初期シリーズは、ビンテージとしての価値も高く高価に取引されている。
 

アルミニウム
AL

 

 
表面の硬さを維持するためにアルマイト処理が施されている。軽量で耐腐食性が強い。
 

アワーレコーディング
12時間積算計
hour recording

 

クロノグラフ機構で12時間積算計が搭載されたもののこと。 30分刻みのものと1時間刻みの2種類がある。
 

アンクル
anchor striker

 

テンプと連動してガンギ車の歯を進める部品で、脱進機を構成する部品のひとつのこと。
二股に分かれたアームにはツメ石が付いており、その形が船の錨「ancre(仏)」に似ていることから名付けられた。 機械式時計から聞こえてくる“カチカチ”という音は、この部品とガンギ車が接触している時に発生するもの。
 

石 / 受石 / 穴石
jewel

 


 

ムーブメントの歯車やテンプの軸などに、摩擦防止のためにはめ込まれる人工宝石、受け石や穴石のこと。
近年は人工ルビーや人工サファイアなどが使用されることが多いが、ムーブメントの視認性を高めた裏蓋スケルトンのタイムピースには、ピジョンブラッドルビー(ルビーの最高峰)を使用したものも存在する。使用数は「17石」や「21J」など、カタログやムーブメント、裏蓋などに表記されている。
 

インダイヤル
indial

 


 

インダイヤルとは、ダイヤル(文字盤)内にある、計機のこと。
日付け、曜日、月表示や、秒を示すスモールセコンド、クロノグラフ搭載機における30分または12時間積算計などが代表的。 スモールダイアル、カウンター、レジスター、サブダイアルと呼ばれることもある。

インデックス
アワーマーク
Index / hourmarkes

 

 

バー

長さや太さはモデルによって様々。 ドレスウォッチに多く見られ、シンプルでシャープな印象を与えるデザイン。
 
 

ロケット / 砲弾

その名の通りロケット弾のような形状で、バーインデックスの下方向が三角形で尖って、なおかつ表面も三角形で盛り上がっている。 シンプルさと逞しさを感じさせる。
 
 

ローマン

ローマ数字のインデックス。 古代ローマ時代に作られた数字で、高級感、気品ある印象を与えるクラシカルなデザイン。 例えば、1→I、2→II、3→III、4→IV、5→Vと表記される。 アンティークウォッチの場合、4のインデックスが、ⅠⅠⅠⅠ(4つが繋がる)と表記されるものがある。
 
 

アラビアン

アラビア数字のインデックス。 1、2、3、4、5と表記される。視認性が高いので時刻を確認しやすい。 ドレスウォッチからミリタリーウォッチまで様々な時計に見られる。
 
 

ドット / ポイント

丸や四角のドット(点)で時刻を表しているインデックス。 可愛らしく柔らかい印象を与えるデザイン。 視認性に優れているためダイバーズに採用されたり夜光塗料が付いていることが多い。
 
 

トライアングル / 楔形

トライアングル(三角形)のマークで時刻を表しているインデックス。 精悍な印象を与える、シャープ感のあるデザイン。
 
 

カリフォルニア / ユニーク

ロレックスが初めてデザインしたといわれているインデックスパターン。 12→トライアングル、 1,2,10,11→ローマン、 3,6,9→マイナス の構成となる。 日本ではユニークダイヤルまたはカリフォルニアダイヤルで通じるが、海外ではカリフォルニアダイヤルでのみ通じるよう。
 
 

ダイヤモンド

ダイヤモンドをインデックスに施したパターン。 ドレスウォッチ、カクテルウォッチでジュエリーウォッチのモデルに使用されることが多い。
 
 

スター

星形のマークで時刻を表しているインデックス。 希少性高いデザインで、アンティークの腕時計に見ることができる。
 

インナーベゼル
inner-bezel

 


 

時計のインデックス外周に取り付けられるベゼルで、目盛が施されているもののこと。 インサイドリング、インサイドベゼル、インナーリングともいう。 ダイバーズウォッチやワールドタイマー搭載モデルなどに用いられることが多い。
 

インハウスムーブメント
in-house movement


 

自社設計または開発したムーブメントのこと。全ての部品を自社・子会社で製造するのではなくサードパーティーに製造を委託して供給を受けているので、マニファクチュアラーとは別扱いされ意味で用いられている名称。
世界最大のムーブメントメーカーETA社が、エボーシュ(半完成品のムーブメント)の供給をストップしたため、今後の先行きが不透明となり、供給を受けていたメーカーたちが2000年頃から自社開発に移行していった。当初は四半世紀前の技術のオマージュに過ぎないなど揶揄されていたが、次第に個性と完成度を高めて近年は高度な技術を組み込んだインハウスムーブメントモデルのリリースが増えてスイス時計業界を活況させている。 
 
 

ヴィーナス / ビーナス
Venus

 

1924年にスイスで創業したエボーシュ(ムーブメントを製造し、時計メーカーに供給する会社のこと)。
1940年代のスイス時計産業全盛期に、クロノグラフのムーブメント製造に特化し、時計メーカーに供給していた。 当時のブライトリングやギャレットは、同社のムーブメントを購入しカスタマイズしてクロノグラフを製造していた。 1970年代に起こったクォーツショック以降、経営が次第に弱体し、1984年にETA設立に吸収された。
 

ウォータープルーフ
waterproof

 

水分や湿気などから、時計の内部を保護するための機能のこと。防水ともいう。
 

ヴィーナス / ビーナス
Venus

 

1924年にスイスで創業したエボーシュ(ムーブメントを製造し、時計メーカーに供給する会社のこと)。
1940年代のスイス時計産業全盛期に、クロノグラフのムーブメント製造に特化し、時計メーカーに供給していた。 当時のブライトリングやギャレットは、同社のムーブメントを購入しカスタマイズしてクロノグラフを製造していた。 1970年代に起こったクォーツショック以降、経営が次第に弱体し、1984年にETA設立に吸収された。
 

裏蓋の種類
the kind of case back

 

 

はめ込み式 / スナッチバック

裏蓋をケースに圧力を加え、押し込むタイプの裏蓋。 ねじ込み式より防水性能が劣るが、ケースの内側にテフロンやゴム製のガスケット(パッキン)を装着することで、防水性、気密性を高めている。
 
 

ネジ込み式 / スクリューバック

ケースと裏蓋にネジ山が切ってあり、それに沿って閉め込むタイプの裏蓋。 テフロンやゴム製のパッキンと組み合わせて使われることが多い。 タイバーズウォッチなどの防水性、気密性が高いモデルに多く使用され、はめ込み式、ネジ留め式よりも防水性が高いのが特徴。 各メーカーのモデルに合わせ、専用オープナーがあることが多い。
 
 

ネジ留め式

複数のネジで裏蓋の周囲を留め、固定する古典的方式。 カルティエのクラシックモデルやドレスウォッチ、高級時計のシースルーバックのモデルによく見られる。 防水性は低い。
 

うるう年 / 閏年
leap year

 

1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって定められた、グレゴリウス暦の誤差を調整するための年のこと。 グレゴリウス暦では1年が365日とO.2425日となる。従って、1暦年は平均365.2425日で、約3320年に1日の割合で暦と季節がずれるので、調整が必要なうるう年は、西暦年が4、又は400で割り切れる年となる。
 

運針
beat

 

時計の秒針が動く様子のこと。 振動型のステップ運針や、流動型のスイープ運針などがある。
 

英国立時計技師、BHI認定
British Horological Institute

 
 
 

英国立時計技師は、BHI(British Horological Institute 英国立時計協会)を修士課程を修了し認定された時計技師のことで、BHI認定者とも呼ぶ。
協会では、英国所有の文化財の時計を修復・保護し、また、英国立時計技師を認定する国家機関。ノッティンガムシャー州アプトン村に本拠地を置く。時計技術はイギリス王国を発祥としていて、現在においても、英国内で時計技師の資格を持つ者の凡そ9割はBHI認定を受けているか、取得を目指し修士課程にある。
バッキンガム宮殿にあるミニッツリピーターや永久カレンダーなど1000機を超えるロイヤルコレクションの時計の数々、ウェストミンスター宮殿にあるビッグ・ベンの時計台もBHIが保護管理下にある。 

 

エコドライブ
eco drive

 

光を電気エネルギーに変換して動く時計の仕組みで、CITIZEN(シチズン)の登録商標。
光が当たることで電気を発生させるソーラーセルを内蔵し、セルが光を受けることで発電、時計を動かす。 余った電気エネルギーは二次電池(充電して再利用できる電池)に蓄えられる。 電池交換の必要がなく、使用される二次電池に有害な金属を含まない、さらに、製造過程で有害物質を使用しないなどの特性から、時計としては初めて「エコマーク商品」に認定された。
 

永久カレンダー / パーペチュアルカレンダー
perpetual calender

 


 

月による日数の違いや、4年に1度のうるう年の調整などを自動的に行うカレンダー機能のこと。パーペチュアルカレンダーともいう。現在、永久カレンダーを搭載した時計は、西暦2100年まで対応のものが多い。

エスケープバルブ
escape valve

 


 

高精度な潜水時に着用するダイバーズウォッチに搭載されていることが多い機能で、時計内に侵入したヘリウムガスを排出させるためのバルブのこと。
ダイバーが潜水する時、 酸素とヘリウムの混合ガスを吸って体を水圧に耐えられる状態にする。 飽和潜水を行なうとき、時計内のヘリウムガスを排出しないとタイバーが浮上するに従いガスが膨張し時計が故障してしまう。 時計のケースサイドについていることが一般的。
 

ETA / エタ・エス・アー・マニュファクテュール・オルロジェール・スイス
ETA SA Manufacture Horlogère Suisse 、ETA SA

 

 

エタ社は、1856年創業のムーブメント供給会社。
スウォッチを開発したことでも知られており、スイスのムーブメント業界では最も大きいシェアを保持している。
スウォッチの生産を開始したのは1982年。 その後、1983年にSMHグループ(現在のスウォッチグループ)を結成。 1998年からはスウォッチグループの傘下となった。

ETAムーブメント供給問題
スウォッチグループ2000年問題

 


 
 

2002年7月、スウォッチグループは「子会社であるETAムーブメントは2006年限りでスウォッチ・グループ外への供給を終了する」 旨を発表。
ETA以外にエボーシュを供給できる企業がスイス国内には実質2社しか存在しなかったため、スイスの機械式時計メーカーの大半が製品を製造できなくなる可能性が現実味を帯びた。 このためスイスの公的機関であるスイス競争促進委員会(Swiss Competition Commission )が仲裁に入り、エボーシュの供給停止は2008年から順次開始され、2010年限りを持って完全にグループ外への供給は終了することで合意が成立した。
 
スウォッチ・グループの創設者の一人であるニコラス・G・ハイエクはこの措置の理由について、 「スイスの時計メーカーが自社での技術開発を放棄し、自社のケースにエタの機械を搭載して高額で販売している現状がスイスの時計工業を堕落させている。」 と指摘した。
 
この事件を境に、スイスの時計メーカーにおいては自社製ムーブメントを開発するか、スウォッチの下請け企業セリタ社の、特許切れのエタ社ムーブメントを基に製造したムーブメントを採用するかの両極化が進むこととなった。
時を経て若干の改善はみられるものの、現在でもスイスの時計メーカーの90%超がエボーシュを買って時計を製造している。 例を挙げると、ブライトリング、クロノスイス、フランク・ミュラー、フォルティス、ハミルトン、ブヘラ、ボヴェ、インターナショナル・ウォッチ・カンパニー、カルティエ、ブルガリ、ロンジン、ミューレ・グラスヒュッテ、モバード、オフィチーネ・パネライ、オメガ、オリス、タグ・ホイヤー、ティソ、スウォッチ、ジン、アランシルベスタイン、コルム、ウブロ、シャネル、ベダco、ベルロス、チュードル、ヴィトン、ボームメルシー、フォルティス、フレコン、エドックスなど
 

エナメル
enamel

 

 

装飾を施す際に用いられる技法で、時計の文字盤やケースなどの表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を塗り、焼き付けによる艶やかで美しい色彩が特徴。
さらに高度なエナメル工芸としてクロワゾネ、ジュネーブエナメルがある。
 

SUS316L ステンレススチール

 

あまり公表はされていないが、主要な高級時計のステンレススチールは概ねSUS316Lを使用している。医療器具にも使用されているので"サージカルスチール”とも呼ばれる。特徴として、肌に優しく、金属アレルギー(ニッケル、クロムアレルギーは対象外)の反応が出にくく、錆びにくい。
 

SUS904L ステンレススチール
スーパーステンレススチール

 

 

SUS316Lのアッパーグレードのステンレス素材がSUS904L。SUS316Lであれば、腕時計の素材としては十二分な性能を誇るが、SUS904Lはさらに上で”スーパーステンレススチール”とも呼ばれている。現在のパテックフィリップやオーデマピゲ、ロレックスの全ての時計はステンレス素材である場合、SUS904Lを使用している。
 

エボーシュ
ebauche

 

ムーブメント製造メーカーが生産する未完成のムーブメント(ムーブメントの部品)のこと。 または、ムーブメントを製造して時計メーカーに卸すムーブメント製造メーカーのことを云う。
腕時計メーカーの中には、ムーブメント製造メーカーからエボーシュを仕入れ、オリジナルのパーツや装飾の入った受け板と一緒にムーブメントを組立てている。 近年、また、パテック・フィリップや、ジャガー・ルクルトといった時計のパーツ全てを自社製造(子会社を含む)できる時計メーカーのことを、マニファクチュールと呼ぶ。
 

LVMH / LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン
LVMH Moët Hennessy ‐ Louis Vuitton S.A

 

フランスを本拠地とするコングロマリットで、ケリング(旧名:PPR)、リシュモンと並ぶファッション業界大手企業体の一つとされる。
時計では、TAG HEUER (タグ・ホイヤー)、HUBLOT(ウブロ)、ZENITH (ゼニス) が傘下企業である。
 

エリンバー
elinvar

 


 

リボンのような金属帯が、テンプの中心部に取り付けられ、きれいに巻かれているスプリング状のもののこと。 それは、香箱に入っているゼンマイよりも遥かに小さく、種類には、平ひげ、巻上げひげ、ちょうちんひげ、などがあり、エリンバーやエルジナイト等の特殊な合金が素材として使われている。ムーブメントの調速機構の一部で、アンクルから伝達される反復運動を一定の規則正しい振動周期にして、テンプの回転を調整する。
 

 エングレーバー
engraver

 

裏蓋やムーブメント、ダイアルなどに彫金で模様を描き、装飾を施す伝統的な技術を持った職人・彫金師、または彫刻家のこと。
 

エングレービング
engraving

 

 

裏蓋やムーブメント、ダイアルなどに彫金で模様を描き、装飾を施す伝統的な技法のこと。 この技術を持つ職人は、エングレーバーと呼ばれ、世界でもごく少数しか存在しない。
 

オイスターケース
oyster case

 


 

イギリスのオイスター社が開発し、その後1926年にオイスター社を傘下におさめたロレックスが完成させ、特許を得た世界初の完全防水型腕時計のこと。 金属の塊をくり抜いて作られたケースにリューズと裏蓋をねじ込み式にすることで、オイスター(牡蠣)のように高い機密性を確保し、ケース内部への水、チリ、ホコリの侵入を防ぐ。
 

オシドリ

 


 

リュウズが取り付けられている巻真と呼ばれる軸に噛み合い、固定する役割をしているパーツのこと。 オシドリが巻真の溝に入ることで、巻真の位置を固定し、また、時刻を合わせる時に、リュウズの切り替えスイッチの役割をしている。リュウズを引き出すと、オシドリが下にあるカンヌキを押す仕組みで、それによって、ツヅミ車はキチ車から離れ、小鉄車に連動し時刻を合わせることができる。
 

オーバーホール / 分解掃除
overhaul

 


 

ムーブメントの定期点検・整備を含む分解掃除のこと。 時計の部品一つひとつに分解し、汚れや古い油を洗い落とし注油した後に、調整・精度チェックを行いながら組み立てる作業。 一般の機械式時計のオーバーホールは3~5年に一度行うのが理想的である。 電池式のクォーツ時計の場合、電池交換と別途、5年程度の期間でオーバーホールが各メーカーによって推奨されているのが一般的。