角穴車 / ワインディングホイール
winding wheel
丸穴車から伝わった動力を同軸の下層にある香箱車に伝える役割を果たす。 ワインディングホイールともいう。
カボション
cabochon
半球型にカットされた宝石のこと。
半透明、不透明な石を美しく見せるためのカッティング方法。 腕時計のリュウズの先端に埋め込められていることが多い。
キチ車
リューズを巻くと巻き真に連結するキチ車が丸穴車を回転させて、角穴車に動力が伝わり、ゼンマイを巻き上げる。
クロノグラフの作動システムの一種。
クロノグラフ機構でもっとも古典的なシステムで、稼動するレバー=キャリングアームの一方の先端に、4番車と常時接続している中間車がある。 作動機構の動作に応じてこのキャリングアームが移動し、中間車が4番車だけでなくクロノグラフホイールにも接続し、回転動力が伝達される。 古典的なだけに製造難易度は割合に低く整備性にも優れ、稼動するメカニズムが大きいので視覚的なメリットがある。 ただし、常時回転する歯車を停止している歯車に「ぶつける」ような機構であるため針飛びが起り易く、発停時のトルクロスが大きいため、テンプの振り角が一時的に落ちて精度に影響を与える。 また歯車同士の摩擦も大きいため力損失や部品の摩耗も比較的大きい。
クラウン / リューズ / 竜頭
crown
主ゼンマイを巻き上げる巻き真に固着されている、時計の側面につけられた突起のこと。
一般的に、クラウンはゼンマイを巻くためと、引くと時刻合わせをすることができる。この時はゼンマイが巻かれないような仕組みになっている。リュウズ(龍頭)と呼ばれることもある。
ロンドン郊外グリニッジ地区のテムズ川河畔グリニッジ・パーク内に存在する天文台。 ロンドン中心部から東におよそ5km、テムズ川河畔からは南におよそ800mの丘に建てられている。
1675年にイングランド国王チャールズ2世が設立した王立天文台で、初代天文台長はジョン・フラムスティード。 王立天文台 (Royal Greenwich Observatory, RGO) は1957年にイースト・サセックスのハーストモンソーに移転し、グリニッジの天文台は「旧王立天文台」(Old Royal Observatory) となった。RGOは1990年にケンブリッジに移転した後、1998年に閉鎖され、旧王立天文台が再び「グリニッジ天文台」(Royal Observatory, Greenwich) と呼ばれるようになった。 現在は観測機器はなく、史跡として維持されている。
1851年に台長エアリーが本館(当時)に子午環を設置し、窓の中心を基準として観測を行い、この地点(グリニッジ子午線上)の平均太陽時であるグリニッジ平均時を定めていた。その後、世界共通の経度の基準(経度0度、本初子午線)と定められ、世界の経度および時刻の基準を担っていた。 1833年に設置された報時球は現在も稼働している。
ストップウォッチ機能が付いた時計のこと。
1720年頃、産業革命前のイギリスで、クロノグラフの父として知られる時計職人ジョージ・グラハムによりストップウォッチが考案された。 「クロノグラフ」は、ギリシャ語で時間"chronos"を記録する"graph"ことを意味する造語で、時刻表示の他に、ダイヤル上のインダイヤルによって計測した時間の累計を表示する積算計を備えているものもある。操作方法は、一般的に2時位置にあるプッシュボタンでスタート、ストップ、4時位置のプッシュボタンでリセットを行う。
計時博物館
Museum of Timekeeping
英国立時計協会 敷地内
1858年の創業でノッティンガムシャー州アプトン村の英国立時計協会(British Horological Institute)の敷地内にある国立時計博物館。BHI認定の英国立時計技師たちによって修復・保護された英国所有の文化財の時計が多数の時計が展示されている。
また、アプトン村はトレントのニューアークとサウスウェルの間に位置しており、歴史建造物を残す美しい町並みは観光地としても有名。
Museum of Timekeeping
British Horological Institute, Upton Hall, Main Street, Upton, Nottinghamshire, Newark NG23 5TE イギリス
http://www.museumoftimekeeping.org.uk/
月差
lunar inequality
1ヶ月間に時計がどれだけ遅れ、進んだかを表す言葉のこと。 月差10分などと表す。
ケリング / 旧名・PPR
KERING
フランスを本拠地とするコングロマリットで、主にファッション・宝飾品関連のブランドを保有している。 LVMH、リシュモンと並ぶファッション業界大手企業体の一つとされる。 時計メーカーの傘下子会社は、ジラール・ペルゴ、ユリスナルダン。
ケースの種類
the kind of case
ラウンド
真円形のケース。 古今主流の最も一般的なタイプ。
トノー / トノウ
樽型のケース。 アール・デコ期(1910年代~1930年代にかけて流行・発展)のデザイン。
スクエア / カレ
正方形のケース。 中のムーブメントは丸型がほとんど。
レクタンギュラー / タンク
長方形のケース。 ムーブメントも長方形のものが多い。
クッション
丸みを帯びた四角形で文字盤が丸型のケース。 アール・デコ期(1910年代~1930年代にかけて流行・発展)のデザイン。
オバール
楕円形のケース。 アンティークのレディースウォッチに多い。
フレアード
縦中央部が内側に絞られている長方形のケースの両すそが緩やかに膨らみ広がっているタイプ。
アーモンド
アーモンドのような形状で、丸みを帯びた菱形。文字盤が丸型のケース。アンティークによく見られる。
研磨 / ポリッシュ
polish
経年の使用で外装に付いた擦り傷、引っかき傷を研磨剤を用いて除去すること。
ロジウムメッキ加工、ステンレスや金無垢(ソリッドゴールド)などヘアライン仕上げも同時に行う。 ホワイトゴールド、プラチナは研磨後、ロジウムメッキ加工を行うこともある。 あまりにも深い傷は残ってしまうが、擦り傷、曇りなどは磨き上げることで消し去ることが可能。
風防も、プラスチック風防であれば基本的に研磨は可能な場合が多い。 ただし研磨する箇所によっては、防水性や強度に影響を及ぼす場合がある。
また、研磨後、重量が減少してしまうことを肉痩せという。
別名ピラーホイールともいい、クロノグラフ機構のストップウォッチのスタート、ストップをコントロールする歯車。
上段は7~9本の柱(ピラー)、下段はその倍の数のギザギザの歯の二階建て構造である。 プッシュボタンを押すと、オペレーティングレバーのアームが動いて先端の鉤爪がピラーホイールの下段の歯を引っ掛けて回転させる。 上段のピラーにはクロノグラフの主要パーツが噛み合っており、ピラーホイールが回転することで、クロノグラフが作動する。
初期の高価なスイス製クロノグラフに見られるシステムで製造、メンテナンス共に熟練の技術を要する。 ビンテージクロノグラフを評価する上での大きな要点となっており、後年主流となった量産機のカム式とは区別され、前者のピラーホイール式のビンテージは上位機種として高価に取り扱われる傾向にある。
スイスのラ・ショー=ド=フォンにある世界最大規模の時計博物館。
半分地下に作られたこの博物館には古今東西の時計が集められており、展示は3000点、所蔵品は4500点を超え、関係図書も1500冊所蔵する。 時計の歴史を知る上で欠かすことの出来ない施設となっている。 研究者の閲覧可。
各国語のモニターで歴史や技術の解説も見られるので日本人観光客にも人気スポットとなっている。 時計の修理ブースもあり、古いものの復元や修理にスペシャリストを配し、若手の養成もしている。 この博物館は同時に「人と時」研究所でもあり、時間と人間のかかわりについての多角的な研究も行われている。 また、スイス計時史協会 (Chronometrophilia) の本部も置かれている。
Musée International d’horlogerie
Rue du Musée 29, 2300 La Chaux-de-Fonds, スイス
TEL +41-32-967-68 61
10:00 - 17:00 月曜休館
http://www.chaux-de-fonds.ch/musees/mih
入場料、15フラン(約1400円) ※予約すれば日本語ガイドあり
ヌーシャテル駅からローカル線の急行に乗り換え、ラ・ショード・フォン駅まで約30分。駅を降りてから、向かって右側に真っ直ぐ700メートルぐらい歩くと国立美術館や歴史博物館のある公園の地下にある。
時計師のジョージ・ダニエルズが考案し、1999年オメガが商品化したまったく新しい構造の脱進機。
従来のツメ2つ、ガンギ車1枚の脱進機とは大きく異なり、3つのツメ石を持つアンクルやテンプと連動する振り座のツメ、加えてガンギカナによって作動を分担。
そのため、アンクルのツメとガンギ車の磨耗も少なくなり、注油もほとんど不要。 長期の高精度維持が可能になった。
脱進機は、トーマス・マッジが開発したレバー式脱進機より250年以上の間、殆ど形を変えてこなかった。 コーアクシャル脱進機の登場で、スイスの各マニファクチュールは新たな脱進機を開発しようと、さらなる拍車が掛かっている。