バーゼルワールド / バーゼルフェア
Basel World
http://www.baselworld.com/
スイスのバーゼル市で毎年春に開催される、世界最大の時計と宝飾の国際見本市のこと。 バーゼルフェアとも呼ばれる。 バーゼル市内にある国際展示場のMESSE BASELで、世界の有名時計ブランドの最新モデルや、独立時計師たちの珍しい時計などを見ることができる。 一般入場可。
針の種類
the kind of Hands
リーフ(ドレスタイプ)
細長い葉、笹の葉のような形をした針。 リーフ針の中でも、一段と細身で曲線的なデザインが、ドレス系ウォッチでは多用される。
ペンシル(ドレスタイプ)
先端が三角形となっており、まさに鉛筆のような形状。
アルファ(α)
ギリシア語のアルファベットで1番を意味する。ドーフィン針の付け根をすぼめた形状。
バー(バトン)
バーバトンとも呼ばれるシンプルな一本棒の形状で汎用性が高い。細いタイプはドレス系で、より太いタイプは夜光を施してスポーツ系で用いられる。
スペード
トランプのスペードを模した先端部を持つ針。時針のみがスペードを持つ場合もある。懐中時計時代から続く定番の形状だが、高級モデルを中心に使われ続けている。
ブレゲ
天才時計師ブレゲが考案。細身の針でも視認性を向上させるため、先端部に円盤部分を設け、穴を開けたもの。クラシカルな意匠を施した時計で採用例が多い。
ペンシル(スポーツ系)
先端が三角形となっており、まさに鉛筆のような形状。概して太く、見やすい。夜光も広く塗布できて視認性が高いため、スポーツ系で多用されるポピュラーな針。
コブラ
時針の先端部がコブラの頭部のような形状と模様となっている。アンティークのドレス系、軍用時計や航空時計で多く見られ、視認性向上を狙ったクラシカルな意匠。
メルセデス
「ベンツ針」とも言われ、時針の先端にメルセデス・ベンツのエンブレム(スリーポインテッドスター)そっくりの意匠を施す。
モダン
棒のように細い突起が針の先端に付いている。この場合のモダンは「近代」の意味で、アンティークに多く見られる意匠。現代ではごく少数の使用に留まっている。
ドーフィン(ドルフィン)
フランス王太子妃を意する。万年筆の剣先のような形の針。
ロージンジュ / ロザンジュ
細長いひし形の形状をした針。
ハック機能
時刻を秒単位で合わせることや、秒単位で時間を合わせる際にリューズを引いて秒針を止めておくことなどを指して呼ばわれることが多い。 語源は、傭兵などが同時に時間を秒単位であわせる際に「ハック」という掛声からきているといわれている。
パラショック / インカブロック
parashock / incabloc
1939年にスイスで発明された時計耐震機構のこと。
時計本体にショックを与えたときにテンプの天真が折れないようにするため、バネがついた穴石を使って支えている。 1950年頃からは、より精度を高めたキフショック機構が主流となった。
イギリスの科学者でステンレス鋼の発明者。
イギリスのシェフィールドに生まれた。 12歳から製鋼所で働き始め、化学実験室の助手になった。 数年化学実験室で働きながら、夜学で製鋼技術や化学分析の方法を学んだ。 30歳になるころには優秀な技術者としての評価を得て、2つの製鋼会社が共同出資したブラウン・ファース研究所での研究の指揮をまかされた。
第一次世界大戦前夜の兵器の磨耗に対する対策が求められる中、ブレアリーは鋼の炭素とクロムの添加量を変えて耐磨耗性を向上させる合金鋼の研究を行った。炭素量0.2%程度でクロム6-15%の間の合金鋼の研究中に、組織観察のためのエッチングをしようとしてクロム鋼が対薬品性を持っていることを発見した。 1913年8月にブレアリーは0.24wt% C-12.8wt% Crのステンレス鋼を開発したとされる。 1920年ブレアリーは鉄鋼協会からベッサマー・ゴールド・メダルを受賞した。
1915年に特許の権利に関して合意できなかったためブレアリーはブラウン・ファース研究所をやめるが、W. H. ハットフィールドらによって研究は続けられ、Niを加えた18wt% Cr-8wt% Niのステンレス鋼が1920年代に開発された。
バルジュー
Baljoux
1901年にスイスのジュウ渓谷内のレ・ビュに創設されたエボーシュ(ムーブメントメーカーのこと)。
高品質・高性能なムーブメントを数多く製造していた。クォーツショックによる機械式腕時計の一時衰退とともに、1970年代にETA社に吸収合併された。
パワーリザーブ / ロングパワーリザーブ
power reserve
パワーリザーブとは、ゼンマイの動力を蓄積することで、通常40~60時間が平均と言われているが、それ以上の70時間以上のものなどのことをロングパワーリザーブという。
これを搭載したモデルの中でも、A. LANGE & SÖHNEが31日間(1ヵ月)の手巻式ロングパワーリザーブを実現させた「ランゲ31」というモデルが有名。
パワーリザーブインジケーター
power reserve indicator
機械式腕時計のゼンマイの巻き上げ残量時間を表示する機能。
クォーツ式腕時計の場合は電池寿命、太陽光発電の腕時計は充電不足を表示する。
計時博物館
Museum of Timekeeping
英国立時計協会 敷地内

1858年の創業でノッティンガムシャー州アプトン村の英国立時計協会(British Horological Institute)の敷地内にある国立時計博物館。BHI認定の英国立時計技師たちによって修復・保護された英国所有の文化財の時計が多数の時計が展示されている。
また、アプトン村はトレントのニューアークとサウスウェルの間に位置しており、歴史建造物を残す美しい町並みは観光地としても有名。
Museum of Timekeeping
British Horological Institute, Upton Hall, Main Street, Upton, Nottinghamshire, Newark NG23 5TE イギリス
http://www.museumoftimekeeping.org.uk/
別名コラムホイールともいい、クロノグラフ機構のストップウォッチのスタート、ストップをコントロールする歯車。
上段は7~9本の柱(ピラー)、下段はその倍の数のギザギザの歯の二階建て構造である。 プッシュボタンを押すと、オペレーティングレバーのアームが動いて先端の鉤爪がピラーホイールの下段の歯を引っ掛けて回転させる。 上段のピラーにはクロノグラフの主要パーツが噛み合っており、ピラーホイールが回転することで、クロノグラフが作動する。
初期の高価なスイス製クロノグラフに見られるシステムで製造、メンテナンス共に熟練の技術を要する。 ビンテージクロノグラフを評価する上での大きな要点となっており、後年主流となった量産機のカム式とは区別され、前者のピラーホイール式のビンテージは上位機種として高価に取り扱われる傾向にある。
時計のダイヤルや内部を保護するためにダイヤルの上に被うよう取り付けられたガラスやプラスティック、サファイアガラスなどの通称。 衝撃、水圧、傷などから時計を守るために工夫が施され、耐久性、視認性が高められている。
風防に使用される素材
無機ガラス / ミネラルガラス
ガラス素材で作られた風防。メーカーや価格帯で硝材に差があるが、他の材質と比べると衝撃には弱く耐久性で劣る。アンティークウォッチは、ガラス風防で仕上げられていることが多いので、愛好家は風防交換の際には無機ガラスを指定することが多い。
ホウケイ酸ガラス / Borosilicate Glass
ホウ酸を混ぜて熔融し、軟化する温度や硬度を高めたガラス。耐熱ガラス、硬質ガラスとして代表的な存在。熱膨張率が低く、そのため一般のガラスに比べて熱衝撃に強い。耐熱性・耐薬品性に優れていることから、理化学器具や台所用品などに用いられている。無機ガラス以上の強度がありドーム型などの形状も多く流通している。
サファイヤ / サファイヤクリスタル
人工サファイヤを原料として作られている風防で、コランダムと呼ばれる鉱物の一種であり、酸化アルミナを主原料に作られた鉱物。硬度は天然の宝石のサファイヤと同等で、硬くてて丈夫で傷も付きにくいが、極端に強い衝撃を受けると割れる。近年では、廉価な時計でも使われることあるが基本的には高級時計で使われる。硬い素材で加工が難しいため、高級な時計以外はフラット(平面)な加工がされた風防がほとんど。
プラスチック / アクリル
アクリル、プラスチックの一種でプラスチック風防と呼ばれることが多い。加工がしやすいので、デザイン性に富んだものが多く、曲面形のドーム風防に使われることもある。
他の素材と比べると硬度は劣るが、粘性・弾力性がありますので、割れにくいのと万が一に割れたときに、破片が他の素材よりも鋭利ではないので安全性が高い。透過性や視識性の利点から高価格帯の時計でも、あえてアクリル風防の時計もある。
プレシキガラス
樹脂製ガラスのこと。1931年にドイツで開発された。重さはガラスの半分、強度は17倍もあるため、航空機用の風防として広く用いられた。また30年代後半以降は、腕時計や懐中時計の風防素材としても採用される。なお、プレキシガラスは、ドイツ・エボニック社の登録商標。そのため、一般的な樹脂風防はアクリル風防、強化アクリル風防と呼ぶ。サファイア製の風防に比べて傷が付きやすく、経年劣化で黄変するが、割れにくく、磨くことで小傷を落とせるというメリットがある。
振り付け
時計のムーブメント組み立てや修理の際、調速機であるテンプとヒゲゼンマイをムーブメントに組み込む作業のこと。
ベゼルの種類
the kind of Bezel
ポリッシュ(固定式)
表面がつるつるに磨かれたベゼル。 古今最もスタンダードなタイプ。
フルーテッド(固定式)
ロレックスのドレスタイプによく使われるギザギザのベゼル。デイジャストシリーズのノーマルに採用されている。
ステップド(固定式)
ケースに向かって階段の様に段差がくっきりしたタイプのベゼル。
クル・ド・パリ(固定式)
clou de paris=フランス語で「パリの爪」を意味する。腕時計のダイヤルやベゼルなどに施される多数のピラミッド型が連なっているようなのギザギザ模様。また、それを施す技法のことをいう。 パテック・フィリップ「カラトラバ」が代表的。
エンジンターンド(固定式)
回転するエンジンのような意匠からこのような名称になったといわれている。ロレックスのヴィンテージで多く採用されていたが、実際は名前のように回転しない固定式。
サンダーバード(回転式)
ベゼル上の算尺数字やインデックスが浮き彫り状になったベゼル。 米空軍のアクロバットチーム『サンダーバーズ』の隊長ドン・フェリス大佐の引退記念モデルとして特別発注されたのが由来とされる。
双方向回転式ベゼル
GMT機能付きモデルや航空計算尺付きのパイロットウォッチなどに採用される両方向に回転するベゼル。
逆回転式ベゼル
ダイバーズモデルによく使用されるベゼル。 水中で誤って逆方向に回転しないような仕様。
ダイヤモンド
ダイヤが鏤められたベゼル。 高価なレディースウォッチでみられるタイプ。
1950年代にIWCの時計技師アルバート・ペラトン(Albert Pellaton)によって開発された自動巻機構の一種。
従来の切り替えギアに代わる画期的な双方向巻き上げ機構で耐久性に優れ、IWCの代表的特許となった。 同機構を持つ最初の自動巻機械はCal.85で、これを搭載したのが高い耐滋性を持つ事で有名な「インジュニ」と呼ばれるシリーズである。 その後は85XXというCal.ナンバー展開で派生機械が産まれた。 70年代のクオーツショックを境にIWCの自社製機械は姿を消し、1980~90年代にかけてはジャガールクルトやETAから自動巻機械の供給を受けていたが、2000年のバーゼルフェアにおいて、約30年ぶりに自社製自動巻キャリバーCal.5000を発表。 数十年の時を経て、あらためてペラトン式が採用されている。
ベルト / ブレスレット
belt
bracelet
腕時計のブレスレットは金属片を繋ぎ合わせたもので、そのブレスレットを構成する部品の最小単位の一片をコマと呼ぶ。
コマの大きさやデザインは様々。また、コマの横並びの構成を連と呼ぶ。
防水性能の種類
the kind of waterproof
現在では、数百メートルの水深に耐える防水性能を持つ時計も存在している。 基本、時計メーカー各社が販売した時計に対して公証する防水精度は、メーカーによって推奨される分解掃除(3~5年ごと)や、消耗部品交換を含む定期的なメンテナンスを受けることで得られる精度である。
時計を修理に持ち込まれる殆どは、潤滑油の劣化、その次に裏蓋とケースの間に挟まれるゴムパッキン劣化による浸水が原因で故障する固体が大半を占めている。
日常生活防水
気圧までの防水性能があるもの。 雨などに濡れる程度であれば故障しない程度の防水性。 中には水深1~2mでも浸水してしまうものもある。
日常生活強化防水
5気圧~20気圧防水性能があるもの。 水仕事などに耐えうる程度の防水性能。
潜水用防水(ダイバーズウォッチ)
10気圧以上の防水性能があるもの。 中には60気圧以上あるものもあり、水泳や素潜りなどに耐えうる防水性能。 スポーツモデルやダイバーズモデルによく見られる。
非防水
防水性能がないもの。 手巻きの腕時計、アンティークの腕時計などによく見られる。
歩度
rate
機械式時計の遅れ、進み度合いのこと。
ポーセリンダイアル
porcelain dial
腕時計のダイアルが陶磁器製のもののこと。 磁器土を銅製の原版に塗り高温で焼いた後、釉薬をかけ仕上げる。 琺瑯文字盤、瀬戸引きダイヤル、エナメルダイアルなど他の呼び方もある。