サー・ジョージ・ビドル・エアリー
Sir George Biddell Airy

 


 

イギリスの天文学者で、グリニッジ天文台台長(1835-1881:王室観測係、1871-1873:王立協会会長)を務めた人物。
現在の経度0度は、グリニッジ天文台での天体観測を元に彼が決めたグリニッジの子午線が、1884年、ワシントンDCの国際子午線会議で世界の本初子午線と決められた。それを元に現在のGMTが決まっている。また、彼はエアリーの定理を発見した人物でもある。
 

朔望月(さくぼうげつ)
synodic month

 

 

月が満ちて欠けるまでの期間のこと。 その長さは約29日間13時間で、新月を朔、満月を望という。
 

作動カム
cam system

 

 

クロノグラフ作動システムの一種。
作動カム式は高価なピラーホイール(コラムホイール)のシステムに比べると、コストが低く大量生産に向いていて、メンテナンスも容易であるので、現在多くのメーカーのクロノグラフムーブメントで採用されている。
作動カムはクロノグラフの司令塔であり、上作動カムと下作動カムという2つのパーツで構成される。 作動カム全体が往復運動をすることでクロノグラフのスタート・ストップ・リセットのすべての動作が制御されている。 作動カムは「押して」シーソー状に動かす仕組みのため、操作感が重く、カチッとはっきり感じられるという特徴がある。
後年主流となった量産型の作動カム式は、高級機に多く採用されてきたピラーホイールとは区別され、クロノグラフを評価する上での大きな要点となっている風潮がある。(初期のバルジュー、ヴィーナス、レマニア、ゼニスなどの高級機種ムーブメントにはピラーホイール式が採用されている。)
 

サブダイアル
sub dial

 

 

ダイアル(文字盤)内にある、計機のこと。
秒を示すスモールセコンドや、クロノグラフ搭載機における30分または12時間積算計などが代表的。スモールダイアルともいう。カウンター、レジスター、インダイアルと表記されることもある。
 

3針独立表示 / レギュレーター
regulator

 

 

ダイアル上の時、分、秒がそれぞれ別に表示されている(3針独立表示)こと。
また、時計師や時計メーカーが、機械式時計の時刻調整のためや製品の精度チェックのために用いる精密時計のこともレギュレーターと呼ぶ。
 

シェラック / セラック
shellac

 

 

時計のムーブメントのパーツであるアンクルにツメ石を固定する時に用いられる天然の接着剤のこと。
インドやタイなどの東南アジア、南アジアに生息しているラックカイガラムシの殻が原料で作られている(ラックカイガラムシが分泌する中体被覆物を精製し、得られる樹脂状の物質)。
時計だけでなく、ギターやバイオリンなどの弦楽器、アンティーク家具のニス塗装にも使用される。
アルコールに反応して溶けるので、昔は度数が高いアルコールにフレーク状のシェラックを入れ溶かして使用していた。
近年は不純物が少ないエタノールで溶かして使用することが一般的だが、現在は石油化学系の接着材も代用されている。
 

磁化 / 磁気帯び
magnetization

 

時計を磁力の強い機器などに近づけたりすることで、時計が磁気を持ってしまうこと。
時計内部のパーツは磁気を帯びやすく、磁気帯びが原因で、時計のリズムが狂ったり、正確に動かなくなってしまい、故障の原因になる。
 

姿勢差
difference position

 

時計の向きやポジションの変化により、ムーブメントにかかる重力の方向が違ってくることで生じる時計の誤差のこと。
置き時計や掛け時計とは違い、常に装着者の腕の動きなどにより向きが変わってしまう腕時計は、誤差が生じやすくなる。 この誤差を軽減するための機構としてトゥールビヨン機構が挙げられる。
 

ジニアスレザー / 天然革 / 本革
genius leather

 

「genius leaher」と「leather」表記について

genius leaherは、動物の天然革の総称。 合革はletherで区別される。
天然革を使用して作られた時計バンド(ベルト)の場合、genius leatherと裏面に表記され、その殆どは天然の「牛革」が使用される。 ただし、商品名に「クロコダイル」と表記してあっても、genius leatherと表記され、天然の牛革で作られた押し型の素材である。 「天然の牛革を使用したクロコダイル調」という意味になるのだが、「天然のクロコダイル本革」 であると購入者に勘違いを招くことが多い。 天然のクロコダイル本革と表記される場合、genius crocodile と表記されるのが一般的。 他の高級革においても、genius ~~~(動物名)で表記される。
 
 

時計バンドに使用される素材

 

カーフ / カーフスキン

子牛の革。生後、6ヶ月以内で、原皮が9.5ポンド(4.3kg)以下のものをライトカーフ、9.5~15ポンドまでのものをヘビーカーフという。 大人の牛の革に比べてきめが細かく、最も上質とされる皮革素材の一つ。

 

クロコダイル

爬虫綱ワニ目クロコダイル科に属するクロコダイル属の総称で、時計バンドに使用されるクロコダイル素材は主に4種あり、スモールクロコダイル、ラージクロコダイル、ナイルクロコダイル、シャムワニ。 特にスモールクロコダイルは最高級として古来より珍重されている。
 

アリゲーター

爬虫綱ワニ目正鰐亜目アリゲーター科に属する属の1つ。 時計ベルトは一般的にミシシッピーワニの腹部が使用される。
 

カイマン

爬虫綱ワニ目アリゲーター科カイマン属。 クロコダイル、アリゲーターと比べると表面に小さなシワがよる。 ワニ革の中では比較的安価な素材。 

 

ジャクルシー

トカゲ革の一種。背側が少しワニに似ていてめずらしいので、時計バンドの素材に好まれる革であるが、現在はワシントン条約で輸入禁止されている。 現地民はこれを「ワニ」としてバイヤーに売ろうとするらしい。

 

ピッグ / ピッグスキン

豚革のこと。 カーフより表面に表情があって、耐久性にも優れる。 値段も手頃で、アンティークウォッチのオリジナルバンドにはピッグがよく使用されていた。

 

スネーク

蛇革の総称。 時計バンドに使用されるパイソンもこれに属する。 玉符で表面に細かなシワがより、乾いた魚鱗のように逆立つ。

 

スティングレイ

魚のエイ(鱏)の革。 革素材の中でも水に強く、表面が小さな球起がみられる。 時計バンドは主に赤鱏の革が使用される。

 

リザード

トカゲ革の総称。 ジャクルシーもこれに属する。 玉符模様で目が細かく美しい。 殆どは光沢加工されて使用される。

 

シャーク / シャークスキン

鮫革。 革素材の中でも特に水に強い。 時計バンドは主にやわらかい腹部が使用される。

 

ヌメ革

植物の渋に含まれる成分のタンニンでなめした皮革(牛革が主)を指す。 太陽の光を浴びたり、素手で触ることで油がつくことで変色する。 経年で革の風合いとして味わいが増すということで愛用者が多い。

 

オーストリッチ

ダチョウの革のこと。 一般的に使用されるは腹部で丸い粒が等間隔に広がったよく見かけるご存知の部位。 レッグは模様が突起してゴツゴツしている。

 

コードバン

農耕用馬の臀部から採れる皮革。 臀部以外の比較的柔らかい部分は靴の内革や時計バンドに多く使用される。 Horween Shell(米)のコードバン素材が最高級。
 

シャルル・エドゥアール・ギヨーム
Charles Edouard Guillaume
1861-1938

 

 

フランス系スイス人の物理学者。
1897年室温付近の温度変化に対して体積膨張の小さい合金インバー、1899年時計のギョームテンプ、1913年弾性係数変化の少ないエリンバー(Elinvar )を発明した。 1920年に「インバー合金の発見とそれによる精密測定の開発」によりノーベル物理学賞を受賞した。
ギョームはスイス ジュラ地方のフルリエに生まれた。 祖父はフランス革命時にロンドンに亡命し時計製造を始めた家系であるが、シャルルの父親の代にフルリエに移住した。 チューリッヒ工科大学で学位を得たあと、パリの国際度量衡局に職を得た。 1938年パリで死去。
 

ジャンピングアワー
jumping hour

 

 

ダイヤル上に設けられた小窓に時刻の時の単位を表示する機構で、時が切り替わる瞬間、瞬時に数字が変わりジャンプするように見えることからジャンピングアワーと呼ばれる。  ジャンピングダイヤルとも呼ぶ。
 

ジュネーヴサロン / SIHH
Salon International de la Haute Horlogenie

 

リシュモングループを中心とした腕時計ブランド(2009年から全17ブランド)の国際時計見本市。
正式名称は「Salon International de la Haute Horlogenie」で、 スイスのジュネーブ市で年1回開催される。 バーゼルワールドとの違いは、一般消費者入場不可であること。招待されたバイヤーやジャーナリストなどの関係者が世界から集まる。
 
※リシュモングループ(旧ヴァンドームグループ)とは、カルティエを代表とする高級時計、宝飾などの企業グループのこと。 1991年からバーゼルワールドを離れ、ジュネーブサロン(SIHH)を開催している。
 

ジュネーヴシール / ジュネーブシール
英:Geneva Seal
仏:Poinçon de Genève
独:Genfer Siegel

 

 

ジュネーヴシールは、スイスのジュネーヴ市及びジュネーヴ州の紋章であり、ジュネーブ市が定めた規定に基づいた品質規準に認定された時計のムーブメントに与えられる刻印のこと。 ジュネーヴスタンプとも呼ばれる。
COSC(スイス公認クロノメーター検定機関)のテストが360時間なのに対して、ジュネーブ・シールのテストは600時間。 テストをクリアし認定を受けたムーブメントのブリッジには、ジュネーブシールであるジュネーブ市の紋章が刻印される。 現在、機械式時計の全製品がジュネーブ・シールというのは、パテック・フィリップ1社のみ。 
ジュネーヴシールの時計の品質証明としての使用は1886年11月6日ジュネーヴ市議会がジュネーヴで製造された機械式ムーブメントの製造技術を保護するために「ジュネーブ天文台の時計作動検査に関する法律」を可決したことに始まる。
 
 

認定の信頼性、過去現在について

ジュネーブシールの規定の中には、審美面のチェックのみで精度に関するチェックは一切含まれない。 しかし、メーカーが希望をすればジュネーブシールのついた時計には無条件でクロノメーター合格証明証が発行される。 これは、これだけ手間をかけたのだから精度がよくて当然というジュネーブ州の方針からである。 元来はジュウ渓谷の時計産業に負けて活気を失っていたジュネーブ州の時計産業の保護を目的として、ジュネーブ州で製造されたムーブメントのみを対象としていたためである。 
一時期は、パテック・フィリップの新型ムーブメントを相応しくないと不合格にするなど一定のチェック機能があったが、 現在は新規申請メーカーには非常に厳しい審査を行うものの一度審査を通過したという実績さえ生まれてしまえば、 新型ムーブメントに対するチェックはほぼ行われない。  (ロジェ・デュブイの明らかに適合しないムーブメントへの合格など。)
現在はジュネーヴに本社があれば製造地に関わりなく審査対象となる。 これは、パテック・フィリップがレマニア、ルクルトなどからムーブメントを購入しているにもかかわらず、ほぼ無条件でスタンプされることに当時の知事が疑問を持ったことから審査基準が緩和された。
一時期、この認定の9割近くを占めていたパテック・フィリップは、最初の1つを審査合格してしまえば残りの製品は無条件で刻印することが出来ていたことと、一部大手グループ所属のブランドに対しての甘い検査に不信感を示し、自社独自の品質検査(PPスタンプ)に移行するなど認定の信頼度は揺らいでいる。
 

ジョージ・グラハム
George Graham
1673-1751

 

 

イギリスの時計師で、数々の画期的な発明に成功した。
カンバーランドでクェーカー教徒の家に生まれ、1688年にロンドンへ渡って時計師トーマス・トンピオンの晩年に彼のパートナーとして働き、振り子時計、太陽系儀、脱進機の発明・発展に貢献した。 直進脱進梯(グラハム脱進機)、シリンダー脱進機、水銀補正振り子、ダンパー(弱音器)付ミニッツ・リピーターはいずれも彼が発明した。 また彼は、時計製作史上最初のクロノグラフを完成させ、グラハムの名声はたちまちヨーロッパ中に知れ渡ることとなる。 しかし時計の発展において特許を取得することを拒み、自らが開発した発明を他の時計師に自由に使わせた。
天文学者エドモンド・ハレーに対して科学機器を開発し、ジェームズ・ブラッドリーとサミュエル・モリノーの光行差観測のために天頂儀を製造した。
1751年にロンドンのフリート・ストリートの自宅で亡くなり、ロンドンのウェストミンスター寺院身廊に、チャールズ・ダーウィン、トーマス・トンピオンらと共に埋葬されている。 現在では終焉の地のフリートストリートに彼とトンピオンの名を刻んだ記念額が設けられている。
 

ジョン・アーノルド
John Arnold
1736-1799

 

 

最初のポケットクロノメーターと言われている「No.36」を製作した、イギリスの時計師(1736-1799)。
1772年にクロノメーター(最高精度をもった時計やそれらの時計に与えられる称号)を開発し、1782年にスプリング・デタント脱進機を改良し特許を取得している。 1787年、息子と共にアーノルド&サンを設立した。 1951年、スイスにてクロノメーター規格が統一された。 現在その認定を行っているのは「COSC(スイス公式クロノメーター検査協会)」。
 

ジョン・ハーウッド
John Harwood
1893–1964

 

 

イギリスの時計技師で、世界初の自動巻きローター機構を開発した。
ハーウッドが自動巻きの研究を始めたのは1910年頃で、20年代から30年代にかけて各社はさまざまな自動巻き機構を考案し製品化しようと試みていた。
22年にジョン・ハーウッドは世界に先駆けてローターの回転を利用してゼンマイを巻き上げるという画期的な機構を開発し、特許を取得する。 この半回転式の自動巻き機構を製品化に踏み切ってくれるメーカーはイギリスにはなかった。 そんな折、1912年にスイスのグレンフェンで設立したフォルティス社が製品化に興味を示した。創設者のヴァルター・フォグトにしても時計メーカーとしては後発組のため、何か新しい試みを探していた最中であった。 ハーウッドとフォグトは意気投合し、即座に製品化を決めて、”ハーウッド・セルフワインディングー・ウォッチ・カンパニー”を設立する。 エボーシュメーカーであったAS(アドルフ・シルド)の協力を得て、'26年のバーゼルフェアで世界初の自動巻き腕時計を発表。 「ハーウッド・システム」と名付けられた時計にはリュウズが見当たらない。 これは自動巻きを強調するためのアイデアであった。(なぜだがこの時計は製造本数が少なく1万4000個のみだった。)
結局、販売面において時計メーカーとして大きな成功は見られなかっが、1926年からハーウッドの特許をベースとしてローターを備えた腕時計が各メーカーより量産されるようなった。(セルツァ、フォルティス、ブランパンはアドルフ・シルド社のエボーシュを使用)。
また”ハーウッドーセルフワインディング~”は30年代頃に手巻き式「オートリスト」を開発している。 これは手首を動かすことで、本体のラグがクネクネと動き、自動的にゼンマイを巻き上げる斬新なものだった。
 

GMT機能

 

 

GMT=Greenwich Mean Time(グリニッジ・ミーン・タイム)とは世界標準時間という意味で、1884年の国際子午線会議で、イギリスのグリニッジ天文台で行われた天体観測を元に決められた。日本時間はGMTの+9時間。
腕時計の機構としては、通常の時間表示以外に第2時間帯を表示できること。 時針と、24時間で1周する24時間針(GMT針)、そして24時間表記のベゼルなどを操作することで、任意の第2時刻以上の時刻を同時に読み取ることが出来る。
 

スイスCOSC検定協会 / スイス公式クロノメーター検査協会
Controle Official Suisse Chronometres

 

 

スイスCOSC検定協会(Controle Official Suisse Chronometres)とは、スイス公式クロノメーター検査協会のこと。
クロノメーター検定は、15昼夜に及び行われる機械式時計の精度を計測する検定。 その内容は、5つの姿勢差と3つの温度差のもと、すべての環境で日差-4秒~+6秒以内に誤差が収まっているかを視る。 名称はギリシア神話のなかで登場する時間神クロノスに由来する。 スイスCOSC検定協会認定を受けたモデルを多く算出する代表的なメーカーとして、ロレックス、オメガ、そして1999年に100%スイスCOSC検定協会化を発表したブライトリングなど。 ジュネーブシールの付いた時計にはメーカーが希望をすれば無条件でクロノメーター合格証明証が発行される。
 
 

認定基準(機械式時計の場合)

 
【ムーブメントの直径20mm以上で面積314mm2以上の場合】

  • 平均日差=-4〜+6秒
  • 平均日較差=2秒以内
  • 最大日較差=5秒以内
  • 垂直・水平の姿勢差=-6〜+8秒
  • 最大姿勢偏差=10秒以内
  • 温度係数=-0.6〜+0.6秒
  • 復元差=+5〜-5秒

 
【ムーブメントの直径20mm未満で面積314mm2未満の場合】

  • 平均日差=-5〜+8秒
  • 平均日較差=3.4秒以内
  • 最大日較差=7秒以内
  • 垂直・水平の姿勢差=-8〜+10秒
  • 最大姿勢偏差=15秒以内
  • 温度係数=-0.7〜+0.7秒
  • 復元差+6〜-6秒

 
クォーツ・ムーブメントにもクロノメーター規格はあるが、機械式が年間140万個以上が検定を受けるのに対してクォーツは数万個と微々たるもので、その9割以上がブライトリングのムーブメントで占められているという現状である。
 

スイス時計協会FH
Federation de l'industrie horlogere suisse
http://www. fhs.jp/jpn/homepage.html

 

 

1924年にスイス時計製造業者の連盟として設立されたスイスの時計メーカーで構成される非営利団体(業界団体)。
スイス時計業界の保護と発展、会員共通および法的な利益の保護、 およびスイス国内外の業界全体を代表することを目的として、スイスメーカーの90%、約500社が加盟する。 1982年にスイス時計商工会議所と合併し、現在の形となる。 本部はビエンヌに置かれ、ラテンアメリカ、東京、香港にセンターを置いている。 FHとは、フランス語名のFederation de l'industrie horlogere suisseからFederation(協会)とHorlogere(時計)を取って名付けられた。
 

スイスレバー脱進機 / クラブツースレバー脱進機
Swiss lever escapement

 

1750年代にイギリスのトーマス・マッジが発明した貴石入りレバー脱進機、現在、腕時計に最も多く用いられている脱進機のこと。
ガンギ車、アンクル、テンプ、どてピン、振り座などから成る。 クラブツースレバー脱進機とも呼ぶ。
 

 

ザ・スウォッチ・グループ
The Swatch Group

 

 スイスのビールに本拠地を置く世界最大の時計製造グループである。 スウォッチの創設者でもあるニコラス・G・ハイエック(Nicolas Hayek)が創業し、現在は彼の娘ナイラが会長を、息子のニック・ハイエック・ジュニア(Nick Hayek, Jr.)がCEOを務めている。日本を含む世界30カ国以上に100%出資の現地法人を保有する。 東京・銀座の中央通りにあって系列の各ブランドが店舗を構えるニコラス・ハイエック・センターがスウォッチグループジャパンの本拠地である。
世界最大規模のエボーシュ製造社ETAを擁することでも知られている。
 

製造部門

  • ETA(エタ) - 汎用ムーブメント
  • フレデリック・ピゲ - 高級機械式ムーブメント
  • ユニベルソ - 時計針製造
  • MECO - 竜頭、ボタン製造
  • LASCOR - 時計ケース、時計ブレスレット製造
  • NIVAROX - 部品製造

 

プレステージ・ラグジュアリレンジ

  • ブレゲ
  • ハリー・ウィンストン
  • ブランパン
  • グラスヒュッテ・オリジナル
  • ジャケ・ドロー
  • レオン・アト
  • オメガ

 

ハイレンジ

  • ロンジン
  • ラドー
  • ユニオン・グラスヒュッテ

 

ミド レンジ

  • ティソ
  • カルバン・クライン ウォッチ
  • バルマン
  • サーチナ
  • ミドー
  • ハミルトン

 

ベーシック レンジ

  • スウォッチ
  • フリック・フラック

 

水晶
crystal

 

二酸化ケイ素が主成分の、無色透明な鉱物のこと。
水晶の電磁場で発生される振動数を調整し、クォーツ式時計の、一定の安定した振動をもつ振動子として使用している。1969年にセイコーが発売した「アストロン35SQ」が、世界初のクォーツ式腕時計であった。
 

垂直クラッチ
vertical clutch system

 

クロノグラフ作動システムの一種。
スイングピニオン方式に変わる その名のとおり、上下2枚の歯車間で動力のON/OFFを切り替える仕組みで、バネによる摩擦を利用するため、摩擦車式とも呼ばれる。 秒クロノグラフ車に直接クラッチを組み込むものと、秒クロノグラフ車の手前の歯車にクラッチ車を使用するものがある。 秒クロノグラフ車に直接組み込む場合、1分間で1周する4番車と同軸に秒クロノグラフ車を乗せ、2枚の車の間に摩擦式のクラッチが入る。 クロノグラフのスタートボタンが押されると、常時回転している4番車にクラッチが落ち、クロノグラフ機構が作動しはじめるしくみになっている。 発停時のトルクロスが少なく針飛びもないため精度重視の方式。 理論上は、自動車のクラッチにもっとも近い。 動作が確実で省スペースが実現できるというメリットをもつ。 デメリットは、ムーブメントに厚みがでてしまうことと、メカニズムがブリッジの下に隠れて構造を確認しにくいので初段を取りづらいことが挙げられる。
 

スイングピニオン方式
swing pinion system

 

 

クロノグラフ作動システムの一種。
キャリングアーム式に代わる量産型クラッチとして開発された機構。 キャリングアーム式を簡略化したような構造で永久秒針を動かす4番車から直接動力を得る形で、細長いピニオンギアを使っている。 キャリングアーム式と比べると構成部品点数が少なくなり、また省スペース化が計られることから、キャリングアーム式に代わって主流となった。 現在のところ最も普及しているクロノグラフムーブメントであるエタ製キャリバー7750(後述)とその派生機が採用している。 しかし、20世紀末からの機械式時計復興において、新たに開発されるクロノグラフはキャリングアーム式か垂直クラッチ式が殆どになっており、特に垂直クラッチ式の採用率が高まっている。
 

スクリューロックリューズ / ねじ込みリューズ
screw-rock-crown

 

 

時計の防水性を高め、湿気などからムーブメントを保護するためにネジ式の構造になっており、ねじ込んで出し入れするようになっているリューズのこと。
ねじ込み式リューズともいう。 1926年にオイスター社が開発し、ロレックスの時計に搭載された。
 

ステム(巻き芯)
stem



 

竜頭に延長して取り付けられた棒状の部品。手巻きの場合、竜頭を回転させて伝わる動力がここからゼンマイへと伝わる。負荷が掛かる部品で交換頻度は他の部品と比べると早い。
 

ステンレススチール
SS

 

合金鋼で、鉄に少なくとも10.5%以上のクロムを含んでいる。「Stainless」=「錆びない」という名のごとく、錆びにくい性質。100%リサイクル可能というところも魅力。
 

スプリットセコンド / ラトラパンテ
Split Seconds
Ratrappante

 

 

メインの秒針と、独立した停止機能を備えた針との2本のクロノグラフ針により、ラップタイム(中間地点から次の地点までの経過時間)計測を行なうことができる機能。
計測をスタートすると2本の秒針が同時に動き出し、ストップすると、スプリットセコンド針だけが停止する。 引き続きスタートボタンと押すと、スプリットセコンド針は動き続けていた秒針にすぐに追いつく。 フフランス語ではラトラパンテという。
 

スプリングドライブ
spring drive

 


 

セイコー独自の駆動機構。
機械式時計と同様にぜんまいのほどける力を動力源としながらも、ICと水晶振動子によって正確に精度を制御する駆動機構。 機械式時計とクオーツ式時計のそれぞれの長所を併せ持ち、電池が不要であること、温度変化や衝撃、振動といった外部環境の影響をほとんど受けない安定した時間精度、流れるような滑らかな秒針の動きなどが特徴。 プロフェッショナル・ダイバー向けの600m飽和潜水用のダイバーズウオッチにも搭載されており、陸だけでなく深海においても高い信頼に応えている。
 

スモールダイヤル
small dial

 

 

ダイヤル(文字盤)内にある、計機のこと。
日付け、曜日、月表示や、秒を示すスモールセコンド、クロノグラフ搭載機における30分または12時間積算計などが代表的。 スモールダイアル、レジスター、インダイアル、サブダイアルと呼ばれることもある。
 

セミ パーぺチュアルカレンダー
semi-perpetual calendar

 

時計を調整しなくても、うるう年を除く4年間、2・4・6・9・11月の末日、日付、曜日、月などを無修正で表示するカレンダー機構のこと。
パーペチュアルカレンダーとは区別している。
 

セラミックス

 

基本成分が金属酸化物の熱処理により焼き固められた焼結体。 独特の光沢を持ち、耐熱性に優れ、金属より軽く、プラスチックより重い素材。語源は、ギリシャ語「keramos」(粘土を焼き固めたもの)といわれている。
 

ゼンマイ切れ

 

機械式時計の動力となるゼンマイが切れてしまった状態のこと。 切れる原因は経年の消耗や、巻き過ぎ、油切れからテンプなど他のパーツに絡み付き無理やり巻きあげ切れてしまうなどある。 新品のゼンマイ交換修理が必要。
 

ソヌリ
sonnerie

 

毎正時や15分などの定時ごとに、自動的に鐘が鳴り、時間を告げる機能のこと。