多頭飼育崩壊って知ってますか?

日々のこと

最近、ペットの多頭飼育って当たり前のようになっていますね。ペット医療も進んで20年も長生きする犬猫もいますし、飼い主の健康や収入がずっと同じとも限りません。転勤先での環境や、地震や津波で被災者になって一緒にいられなくなってしまうような、万が一も考えていてほしい。というように、多頭飼育崩壊に直面した経験談を書きます。(ちょっと長い)

数年前の話になりますが、猫を多頭飼育(僕が確認した限りでは6匹)してるご近所の奥さんがインターフォンを鳴らしてきて、

「いま、主人が通帳を 持って仕事に出ていていて家にお金が無く、体調が悪い猫を病院に連れていってあげられなくて…」

というので、嫁がお金を貸したそう。翌週お金を返してくれて、それでめでたしだったんだけど、翌月また、

「主人が通帳を持って…… 猫の処方薬をもらいに行けなくて…」

プライバシーに触れない程度に匿名紹介になりますが、このご家庭はご主人は毎日仕事で疲れてるからとか、奥さんも持病があるとかで自治会の奉仕活動には全く参加しないし、二人ともヘビースモーカーで居住半径5mは煙草の臭いと飼ってる動物の糞尿の不始末な臭いとが合わさって、回覧板を持っていくにも臭くて近寄れないってお宅。

当然、ご近所付き合いは良くないし、そこにいきなりお金を貸してほしいって、こっちもびっくりなシチュエーションです。

何か違和感を感じた嫁は、

「(想定できることに改善がみられないし、)ご近所さんに頻繁にお金を貸すっていうのは…うちの主人に相談してみていいですか?」

と答えたそう。すると、奥さんは正直に打ち明けてくれて、

「去年、主人が会社と喧嘩して辞めてしまい、ずっと誘われていた転職先の業績も芳しくなく給料を減らされてしまって… 切り崩していた貯金も心許なくなって金銭面で他に頼るところがなくて… (実親に頼れない事情があるらしい)」

その後のやり取りと結果は皆さんの想像におまかせして… これって誰にでも起こりうる話で笑えません。

保護センターでの里親募集や譲渡会が以前よりは飼い主検討者に浸透して博愛精神がファーストな良い時代になったと感じます。

しかし、日本の動物愛護はまだまだ未熟な部分が多いし、ペットとの向き合い方も飼い主の一方的なエゴで動物を苦しめることだってある。よく、

「自分が飼ってあげないと処分されてしまうから…」、というありがちな言葉を耳にしますが、それは、一歩踏みとどまって考え直して、飼わないという決断も人間としての責任なんです。
そして、私がこの子に最適な飼い主を見つけてあげるまで一時的に面倒見ようという、保護者の役割に徹する考え方もありだと思うのです。

自分の生活リズムを改善してまで飼うようになった自己啓発な方も多くなったし、それで動物を家族として迎え入れて幸せになったケースもたくさん知ってます。

ということで、法的にも強い飼い主の保証人制度と住基登録制度の導入をお願いしたい。

そして願わくば大切な家族とずっと一緒に居られますように祈ってます。