『我々の製品(時計)を購入頂いたお客様の財産を守り続ける行動が企業として存続価値に成長するのです。だから今後も我々はロレックスという付加価値を上げ続けます。』
30年前、スイスで中堅メーカーでしかなかった社長が残したこの言葉は現実になった。悲しいけど『使い捨て社会』を100年掛けて作ってきた今の日本企業には無い理念かな。
同社にとって歴史的なタイムピースがオークションに出品されると、このメーカーは公言し市場介入してくる。いわゆる株式の公開買い付けのようなもの。自ずと入札が増え落札額が上がる。最高落札額が更新される度に国際ニュースのトップページ扱いになる。すると、新品のリテール(定価)が都度更新される。これを繰り返してきた。
価値が上がり続けるという暗に確約されたコラテラル(担保)を消費者に意識づける。だからこそユーザーは修理コストを捻出して使い続ける。製品価値を上げるっていう結果は、このサイクルが成立してないと実現しない。
もう一つ忘れていけないのは、約30年前、このビンテージウォッチというカテゴリーを作り、マーケットの小さな種を地道に育ててきたのは、一部の日本人セーラーとコレクターたちの存在があったという事実があります。
彼らによって各メーカーのディスコグラフィーと時計史が解析され、時計技師たちの研鑽によって修理メソッドを向上させてきた。
これは今日、世界中の時計マーケットで評価されていている。日本人コレクターにコネクションを持ち、保存状態の良いビンテージを多く取り扱い、なおかつ優れた修理メソッドを継承している日本ディーラー兼技術者から買い求めることが、海外コレクターにとって最良の手段でありステータスとなっています。
” target=”_blank” rel=”noreferrer noopener”>1956-1964 Rolex Submariner Ref.6538