「お庭掃除の途中で失礼します。ちょっとお話聞いていただけませんか?」
「へ、なんですか?」
「コロナで大変な中お疲れ様です。 夫婦別姓とか不倫とか今の世の中たくさん悩みを抱えてたり互いを傷つけあって大変ですよね。そんな不幸や不安を最近感じではないですか?」
「え、そんな不倫って多いんですか? 自分で言うのもなんですが世間ズレしてるっていうか一般的な人と触れ合う機会が少なくて、そういうのよくわからなくって…」
「そうらしいんですよ〜 そんな悩みを救ってあげたくて私達は活動しておりまして、よかったらこちらに署名をおねがいします。個人情報とか心配されるかもしれませんが、先日は○民党の議員さんにも署名を頂いたりですね、安心して〜」
「署名したらどう救われるんですか? ○民党の関係者の方なんですか?」
「いえ、私は○民党とかではなくてですね… えっと…」
「夫婦別姓って駄目なんですか?」
「あ、夫婦別姓賛成ですか…」
「別姓もなにも自分の名前でさえどうでもいいかな〜 なんて感じてるんで…」
「長男ではないの? 代々守って続いてきた家系というのはですね、皆さん簡単に解決できる軽いものではなくて〜」
「僕、ちなみに次男てすけど、嫁が長女で嫁方の姓を継いで欲しいと言われて今はそれを一般的には名乗ってます」
「なら養子に?」
「いいえ、名前だけですよ」
「…」
「私的な理由なんですが、仕事のことや行く国々によって、他にも名前をいつくか使い分けないといけなくって。それがもう面倒くさくって。覚えてもらえる名前があるだけラッキーっていうか、覚えてもらえるなら何でもイイやっていうか…」
「あの… お仕事って?」
「とりあえずはここの店のオーナーってことになってますけど」
「あ〜ここ以前からオシャレだな〜って思っててなかなか入れなくて… アンティークのお店なんですよね? 家の仕事を継がれたんですか?」
「いいえ、自分で始めました」
「やっぱりアンティーク好きで始めたんですか?」
「いいえ、違いますね」
「……」
「あ〜 この話聞きたいなら3時間くらいかかっちゃうんでまた今度で。まだ庭掃除の途中なんで」
「あの… やっぱり署名はダメ?」
「うーん、僕の一存で書いても良いのかどうか… 僕がこういうの書いた組織団体は何故か後に必ず無くなってしまうみたいなんで」
「!! あの… 何か宗教関係の方ですか? 」
「僕の口からは名乗れないようになってるので。帰って調べられるなら調べてみてみたらいいですよ。あ、いま日本のGoogle検索からは引っかからないかも…」
「……………」
「『アナタは自分が好きなこと喋ってれば聞いてる人たちは楽しんでくれるし救われる人もいるだろうから、そのままが一番良い。』って副代表?(嫁)から言われてます ハイ」
「な、なんか失礼しました!」
っと99パーセント嘘は言ってないはずです。たぶん。。笑