天使シャンデリアの修復 アンティーク照明の修理

天使シャンデリアの修復 アンティーク照明の修理

2019年7月25日
日々のこと

今回は仕入れた天使シャンデリア修理修復。

残念なことに翼に欠損が2ヶ所あります・・

でも、この雰囲気のある天使がたいへん気に入ったので修復してでも仕入れたくなりました。

再生の方法は、3体の天使のうち幸い1体に両翼が残っていましたので、これから翼を型取りして複製で再生修復することにしました。

残酷ですが、残っている翼をいったん切り離して型取りします。後でロウ付けで付け直せるから大丈夫。 なはず… 本心は不安いっぱいですけどね。 修理とは技術に勝る勇気ですかね・・

粘土で翼の半分を覆って片側から型枠を作成します。流し込みの際の4角の凹みはズレ防止のためで、反対側を作るときは凸の形になります。

片側が仕上がり、二日目は反対側に取り掛かります。赤いのが300℃まで耐える耐熱型枠用シリコン。

 

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出来上がった型枠を窯入れして十分に熱を加えたのち、金属素材を流し込みます。 型に熱を加える理由ですが、気泡が混ざらないよう泡切れを良くするためで、なるべく型枠と素材の温度差を無くすほど泡切れが良くなります。

鉛70% 錫20% アンチモン10%くらいの割合で元のシャンデリアと同じ素材のピューター(フランス語ではエタイン)という合金に精製します。 元のシャンデリアの合金比率は分かりませんが、ピューターの合金比率といえば、だいたいこんな感じです。

泡切れ良く型取り出来ました。左2つの白っぽいのが複製した翼で、右下がオリジナルの翼。 艶や色違いの加減は最終的にパチネ(古色技法)でオリジナルに合わせます。

翼をロウ付けして・・

うん、良い感じ! 型取りのため切断した翼も綺麗にロウ付けして繋ぎ目の模様も再生して整えました。

ボロボロになっていた元の配線は廃棄して、布巻コード(袋打ちコード)で再配線。これも日本には種類が少ないので海外から輸入してA&Oで販売してます。照明材料は建築業者からのお問い合わせも多い商品です。

つり下げるシェードホルダー(ギャラリー)やソケットは、部品でストックしていた同時代で同形のアンティークを使用します。 照明部品は、こういう修理に備えて、アンティーク市場から常に探し求め仕入れストックするようにしてます。 部品のストックがあるからこそ安心して照明が取り扱えます。

再配線をしてる時は完成が近いので我ながらワクワクします。

複製した翼にドラパチネ(古代金)を施しまして、薬品の化学変化で色が馴染んで落ち着いてオリジナルの色に同化するまで約1ヶ月。最初から本気で色合わせすると、色変化が進みすぎてしまうためです。

配線も終わり完成。作業日数は約2週間。ピューター素材の合金比率が不明確ということで及第点の仕上がり80点かな。

ここまで、技術的にかなり省略して説明してますので、このまま真似されても上手くいかないと思います・・

最近、たいへん多いアンティーク修理の問い合わせですが、A&Oが実際どのくらいの技術があるのか知って頂く良い機会かなと。

それと、こういう修理メンテナンスの長い工程を経て店頭に綺麗なアンティークがディスプレイされ販売しているということを知って頂きたかったので今回はあえてプロセス形式で紹介させていただきました。

アンティーク&オールディーズでは、ご所有のアンティーク修復のご相談を承ります。

https://aando-since1993.com/restration/restoration.html