💡照明計画からはじめませんか? part2 ムラノケージランタンとモロッカンランタンの違い 類似品まで 比較と歴史

💡照明計画からはじめませんか? part2 ムラノケージランタンとモロッカンランタンの違い 類似品まで 比較と歴史

日々のこと

「鉄の網の内側からガラスを膨らませて… ほら、こんな感じの照明で、今のモロッコランタンとか言ってる中国製じゃなくて、ヨーロッパのアンティークで本物が欲しいんです。」

「あぁ、ケージランタンのことですね。別名はモロッカンランタンと呼ばれてます。」

日本でケージランタンが最初に流行したのは、ちょうどバブル経済後期にあたる1990年代で、その流行を先駆けたのは日本でエスニック料理やカフェスタイルの先駆けにもなったモンスーンカフェ(GLOBAL-DINING,INC.)だったと思います。懐かしいです。
近年、再び流行を作ったのはニューヨークのブルックリン地区を発端とする、モノトーンを基調にした無骨な産業インテリアデザインで世界的に流行を極めたインダストリアルスタイル(ブルックリンスタイル)でしょう。これが日本の成年世代の評価を得てケージランタンの人気は復活を遂げました。

発祥は別名からのとおりモロッコになります。モロッカンランタンが19世紀中頃に中央ヨーロッパ向けに輸出されていったらしいのですが、途上国の製品ということでガラスの質が粗悪(酒瓶や薬瓶を再焼成)で、輸送中の振動で大半は割れてしまっていたんだとか。

そこで、それなら自分たちが作ってみたら良いんじゃない?みたいな感じで、イタリア王室にも納めるガラス工芸で有名なムラノ島のガラス職人がモロッカンランタンの原形を持ち帰り、純度の高いガラスで作った製品が人気になってヨーロッパに広く普及しました。これがムラノケージランタンです。

20世紀初めになると、その技術がフランスにも伝来して、ドーム兄弟やシュナイダー兄弟といったガラス工芸家もケージランタンを作っていました。ですから、フランスではアールヌーヴォー様式、アールデコ様式、ブロカント様式に分類されていることが多いです。

皆さんが本物と言って探してるほとんどは、ガラス純度が高く、高強度で光の屈折率や透明度が高いムラノ製と思われます。でも、時系列から見れば、ガラス純度が低いモロッカンランタンが元祖で正式には本物ということになります。 そして、近年のモロッコも中国製と見分けが付かないくらい更に質が低下しているようです。 今でもムラノ島に行くと創作のケージランタンを見かけますが、新品は云十万~云百万円する高級品です。やっぱりヴェネツィアンガラスの頂点はムラノ島ということで、イタリア国民にとってもイタリア工芸品の頂点なのです。日本なら手彫りの江戸切り子や薩摩切り子の創作品に等しい扱いです。

このように、オマージュ(尊敬する作家や作品に影響を受けて作られた物)が本物の技術を超えて市民権を得たという、過去の歴史ではよくある話です。コストパフォーマンスの要素においてもアンティークを探している人が世界中で増えているのは必然と言うべきか範疇の内なのでしょう。

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