サファイアガラス風防の修復について

サファイアガラス風防の修復について

日々のこと

修理専門の時計技師に難題とされてきたサファイアガラス風防の傷修復。

高い硬度で傷付きにくいサファイアガラスですが、いったん傷が付いてしまうと、樹脂風防のように研磨が効かず、交換するのがセオリーです。

さらに特殊な形状のサファイアガラス風防は純正でないと交換が対応出来ない場合が多いです。(作れるけど純正で交換した方がコストが安いです)

例えば○ルティエに風防交換を依頼すると、風防だけでなくケース交換を標準施工に組み込む場合が多い。これが厄介で、時計本体を買い直した方が良いんじゃないかというくらいびっくり高額な費用になってしまうことが多いんです。

ケースも交換する理由として、テンション風防でケースと風防の間に高い圧を掛けて接着するという外圧防滴仕様にしてあるためです。

「風防もケースも交換せずに風防の傷をなんとか直せませんか?」

という問い合わせは多く、時計修理に携わる者には永遠のテーマです。

そこで特殊な浸透性硬化樹脂材を流し込んで修理する方法を発案。

半年研究を重ねて、よほど状態が劣悪でなければ及第点のクォリティまで仕上げられるレベルに達したので修理受付を正式リリースします。

*あくまでも交換費用を抑える目的での修理であり、修理後の表面は樹脂膜で本来のサファイヤガラスの硬度が無いことをご了承願います。そのかわり、薄い擦り傷は、再皮膜施工と研磨除去が可能です。