ロレックスオイスターケース(自動巻)の腕時計の使用方法について

ロレックスオイスターケース(自動巻)の腕時計の使用方法について

日々のこと

今日はロレックスオイスターケース(自動巻)の腕時計の使用方法についてお話します。ロレックス製品を所有されてる人の9割以上はこのタイプかと思います。

前置きしておきますが、あくまでも修理と販売の事業セクションを併せ持つ立場からの一思考になります。

毎日身に付ける時計でなければ、最初に竜頭を巻いてゼンマイをフルチャージにして使用されて下さい。

竜頭のロックを外して時計回りに20回転ほど巻けばフルチャージです。あとは自動巻システムの腕の振り動作がプラスされて48時間は動き続けると思います。

自動巻といっても、ローター回転でのチャージは補助程度なので、デスクワークなど日常での腕の振り動作があまり無い方はゼンマイが殆ど巻かれません。通勤で歩かれる方、営業で外回りされるような方はよく巻かれるようです。

というように生活スタイルによって自動巻は向き不向きあります。

月に1回程度使用されるようなら時計の機械コンディション維持には問題ありません。ゼンマイを巻くときはフルチャージを心掛けてください。それで潤滑油が機械全体に行き渡り錆防護になります。

賛否両論ありますが、僕はワインディングマシーンは必要無いし、はっきり言ってしまえば時計技師の専用道具です。機械内部の油切れ(潤滑油の劣化)に気がつけない一般ユーザーには不向きなんです。ずっと時計を回し続けるのは機械部品の消耗を早めてしまいます。毎度、時間合わせが面倒な点以外は、前述のとおり月1回程度の使用なら何ら問題無いと思います。

手動でゼンマイを巻いたり時間合わせで竜頭を引っ張り上げ回転させるルーティンも、時計のカス溜まりをケース内縁側に吐き出させる効果がありますので気にせず触っていただくことが良好な維持に繋がります。

販売店のスタッフでさえ分解掃除の必要性や時計の使用方法知らないことが非常に多いです。A&Oの時計修理に限っては、他所から購入されるか譲渡されて、持ち込みで「分解掃除お願いします」とお願いされますが、9割以上が使用方法の認識不足が起因した故障・破損している状態です。

時計が動作しなくなってから持ち込まれるケースがたいへん多くて、機械内部の油切れ(潤滑油の劣化)から部品同士を損耗させる二次災害を引き起こしていて、メンテナンス(動作維持施工)を通り越してリペア(修理、部品交換)が必要な時計が9割です。その場合、部品代・工賃が高額になってしまうケースも数多く、見積り金額を提示するのをこちらも躊躇してしまいます。

A&Oで販売、もしくは修理施工した時計につきましてはレクチャーを随時受け付けています。 ワークショップ開催の声もありますので、それはまたスタジオで検討してみます。