正確な懐中時計の測定値を得るには、文字盤の下にあるムーブメントの下部プレートを測定する必要があります。多くの場合、ダイヤル幅はムーブメントを超えて延びているため、懐中時計のサイズを正確に測定する方法ではありませんが、慣れてくれば実測で近い数値を割り出せるかもしれません。
ムーブメントサイズとケースの関係
先ず、懐中時計のサイズは、ケースの外径とは関係がないことを知っておくことが重要です。懐中時計は、所有者の好みに応じてさまざまなケースサイズを選ぶことが可能です。こういう風にケースを変えていくことを時計の世界では”リケース”(re-case)といいます。
例えばリケースするために新しくケース購入を検討しているとします。所有している懐中時計が18sであれば、ケースも18sと詳細に表記してある物を購入すればフィットします。
ケースの直径についてですが、ベストのポケットや時計のポーチに収める場合など、懐中時計全体の大きさに関係してきますが今回の下記チャートには関係ありません。
一般的な懐中時計のサイズ
懐中時計にはさまざまなサイズがありますが、最も一般的なのは男性用で18s、16s、12s、または女性用の懐中時計で0s、6s、8s。 10sと12sはユニセックスで男女兼用とされてきました。 鉄道の懐中時計は初期は18sまたは16sでしたが、最終的には16sに統一されていきました。
数字の隣の S はどういう意味?
数字の隣の「S」は「サイズ(Size)」を意味します。例えば、18であれば表記上は18sでも18-Sizeでも意味は同じです。ムーブメントの受石の使用数を表記する場合は、16J(16 jewels)というように数値のとなりにJで表記します。それぞれの数値を混同しないよう、数値の隣にイニシャルが表記されるようになりました。
懐中時計のサイズチャート ランカシャーゲージとは?
下記チャートの測定値は、懐中時計のムーブメントサイズであり、ケースまたはダイヤルのサイズとは関係ありません。 このチャートは、アメリカの懐中時計のサイズをインチからミリメートルに変換しています。 チャートから懐中時計は通常、30分の1インチで測定されていることがわかります。これはBHI(英国立時計協会 = British Horological Institute)が使用している「ランカシャーゲージ」が基礎となって世界中で採用されるようになりました。
- サイズ
- インチ
- ミリメートル
- 22s
- 1 27/30″ (1.9″)
- 48.26mm
- 20s
- 1 25/30″ (1.83″)
- 46.56mm
- 18s
- 1 23/30″ (1.766″)
- 44.86mm
- 17s
- 1 22/30″ (1.733″)
- 44.02mm
- 16s
- 1 21/30″ (1.700″)
- 43.18mm
- 14s
- 1 19/30″ (1.633″)
- 41.48mm
- 12s
- 1 17/30″ (1.566″)
- 39.78mm
- 10s
- 1 15/30″ (1.500″)
- 38.10mm
- 8s
- 1 13/30″ (1.433″)
- 36.40mm
- 6s
- 1 11/30″ (1.366″)
- 34.70mm
- 0s
- 1 5/30″ (1.166″)
- 29.62mm
- 3/0s
- 1 3/30″ (1.100″)
- 27.94mm
- 8/0s
- 14/15″ (0.933″)
- 23.71mm
- 12/0s
- 4/5″ (0.800″)
- 20.32mm
- 18/0s
- 3/5″ (0.600″)
- 15.24mm
ANTIQUES&OLDIES 懐中時計の測定方法より
https://aando-since1993.com/library/column/pocketwatchsize.html
