ドーム兄弟 エドガー・ブラント合作ランプ 1910年代アールデコ様式 Daum Nancy tl-22


1910年代アールヌーヴォー期、ドーム兄弟(仏)のランプです。 マーガレットの花をあしらった鍛鉄フレームは、のちのアールデコ様式の巨匠となった金工細工師エドガー・ブラントの手によるものです。首もとと台座のつぶらに描写されたマーガレットは、アールヌーヴォー過度期にありながらブラントならではのアールデコ芸術の兆しと細部に渡る高い技術を感じられる力作だと思います。大粒の金箔を全体にまぶしたドーム兄弟のガラスシェードは、質量からして変性のクリスタルガラスかと思われます。アールデコ期の大変珍しい作品です。

カテゴリー: ランプ
制作期: 1910年頃
製法: クリスタルガラス、金箔彩ガラス、鍛鉄
サイズ: 高さ41cm
重量: 約3kg

電配線は、日本仕様に交換済みです。電球口金は、B22Dをお買い求め下さい。

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Daum Frères
兄オーギュスト(Auguste Daum,1853-1909年)弟アントナン(Antonin Daum,1864-1930年)

オーギュストとアントナンのドーム兄弟は、フランス、ロレーヌ地方のビッチの出身である。 普仏戦争終了後の1872年、ドーム家はプロイセンの占領を避けてナンシーへ移住した。 兄弟の父、ジャン・ドーム(1825-1885)は出資したガラス工場の経営者となったがオーギュストは1878年頃から、アントナンは1887年から、それぞれ父の仕事を手伝っている。
すでに、1884年の装飾美術中央連盟展で同じナンシーのガレが金賞を受賞して注目を浴びており、ドームの工場でも日常雑器の生産から、より高度な美術ガラス製品への移行を画策していた。 それから5年後、パリで1889年の万博が開かれ、ガレが出品した300点のガラスと、200点の陶器、17点の家具を出展し、いずれも植物をモチーフにした日本の装飾意匠えお連想させるリリカルな表現によって参加者の絶賛を浴び数々の賞を獲得した。 アールヌーヴォーの爆発的展開がこのときより始まるのである。
同じく1889年のパリ万国博覧会にドーム工房はテーブルウェアなどを出品した。 この時期からドームも爆発的躍進が始まる。 1891年、新たに装飾工芸ガラスを制作する部門を設置し、多くのガラス工芸家や美術家が導入された。 ウジューヌ・ダマン、ヴィクトール・マルシャン、ポール・ラカド、セーヴル・ウィンクラーといった画家たちや、ジャック・グルーベルのようなグラヴィール作家、彫刻家のアンリ・ベルジェ、陶工にして後にパート・ド・ヴェール作家に転身したアマルリック・ワルターも招聘された。
一般に、ドームの作品は風景文様を用いたものやヴィトリフィカシオンを上手く生かしたものに秀作が多い。 他にパート・ド・ヴェールの小容器や小動物、エッチング文様の上にエナメル彩色を施した山水風景の花器や容器も、ドーム兄弟の独壇場だった。
1894年、ナンシーおよびリヨンの博覧会で金賞を受賞。 1897年のブリュッセルの万国博覧会でも金賞を取り、この年、オーギュストにはレジオン・ドヌール勲章が授与されている。 さらに、1900年のパリ万国博覧会でも大賞を取り、この年アントナンにもレジオン・ドヌール勲章が授与された。 1901年にエコール・ド・ナンシー(ナンシー派)が結成されると、アントナンは副会長に推されている。 1914年には第一次世界大戦の影響で操業を停止したが、1919年に再開。 1920年代はアール・デコのスタイルで、その後は透明クリスタルのガラス置物などを生産し、現在に至っている。